「自分が買った株、もっとグングン上がってほしい」
投資をしている人なら、誰もがそう願いますよね。
米国株で大きな利益を狙うなら、絶対に外せない数字があります。
それが、会社の稼ぐ力を示す「EPS(1株当たり利益)」です。
この記事では、EPSが年20%以上伸びている「本物の成長株」の見分け方と、具体的に注目したい銘柄を分かりやすく紹介します。
EPS成長率20%超えの米国株を見極める具体的な条件
「せっかくいい銘柄だと思ったのに、買ってすぐに値下がりしてしまった」という経験はありませんか。たまたま一度だけ利益が出た会社に飛びつくと、こうした失敗が起きやすくなります。ずっと株価が上がり続ける会社には、数字に裏打ちされた「共通のルール」があるのです。 その基準をしっかり押さえておきましょう。
営業利益率が毎年改善しているか
営業利益率とは、本業でどれだけ効率よく儲けているかを示す比率です。売上が増えていても、広告費や人件費がかさんで利益が減っている会社は、成長の勢いが長続きしません。
対照的に、稼ぐ効率が上がっている会社は、売上の伸び以上に利益が積み上がっていきます。競合する他社と比べてこの比率が高いかどうかを確認することで、その会社が持つ「独自の強み」の凄さが分かります。
過去3年間の伸びが安定しているか
たった1年だけ利益が20%増えたとしても、それが土地の売却や一時的なブームによるものなら意味がありません。私たちが探すべきなのは、3年以上続けて着実に利益を積み上げている会社です。
- 毎年20%以上の成長を維持しているか
- 業績の浮き沈みが激しすぎないか
- 成長のスピードが加速しているか
こうした安定感を確認することで、一時的な流行に振り回されるリスクを減らせます。安定して稼げる仕組みを持っている会社こそ、プロの投資家も安心して買い増していく優良な投資先となります。
自社株買いで1株の価値を高めているか
米国株の大きな魅力は、会社が自分の株を買い戻す「自社株買い」に積極的なことです。会社全体の利益が変わらなくても、株の数が減れば、1株あたりの取り分であるEPSは自然と高まります。
アップルのような超大企業がEPSを伸ばし続けられるのは、この自社株買いを上手に行っているからです。「利益の成長」と「株の数を減らす努力」の両方をやっている会社は、株価が上がる力が非常に強くなります。
利益成長が続く優良企業として注目すべき具体的な銘柄
数字の基準が分かったところで、実際にどんな会社がEPSを20%以上も伸ばしているのかを見ていきましょう。米国には、私たちの生活を根本から変えるような技術を持ち、それをしっかり利益に変えているモンスター企業がいくつも存在します。今の市場で主役となっている企業の、本当の稼ぎ方を詳しく紹介します。
AI分野で独走するエヌビディア
エヌビディアは、AI(人工知能)の計算に欠かせない半導体を作っている世界一の会社です。
世界中のデータセンターが、エヌビディアの半導体を手に入れようと列を作っています。この会社が作っているチップ(H100やB200など)は、他社には真似できない圧倒的な性能を誇ります。そのため、強気な価格設定でも飛ぶように売れ、利益が爆発的に増え続けているのです。
単に部品を売るだけでなく、ソフトウェアでも顧客を囲い込んでいるのが強みです。一度エヌビディアの仕組みを使い始めると、他の会社の製品に乗り換えるのが難しくなるため、高い利益率を維持できています。
| 項目 | エヌビディア(NVDA)の内容 | 他との違い |
| 主な製品 | GPU(画像処理半導体) | AI計算のスピードが圧倒的に速い |
| EPS成長率 | 年100%を超える驚異的な伸び | 市場平均を遥かに上回る爆発力 |
| 営業利益率 | 60%を超える非常に高い水準 | 100円売って60円残る稼ぐ力 |
| 主な顧客 | Microsoft, Amazon, Google | 世界の巨大IT企業がメイン客 |
他の半導体メーカーが激しい競争をしている中で、エヌビディアだけが「独り勝ち」の状態を続けています。AIの進化が続く限り、この会社の稼ぐ力が衰えることは考えにくいほど、市場を支配しています。
肥満治療薬で利益が急増するイーライリリー
イーライリリーは、世界中で悩む人が多い「肥満」を解決する薬で大成功を収めています。
この会社が開発した肥満治療薬「ゼップバウンド」や、糖尿病薬「マンジャロ」の売上が凄まじい勢いで伸びています。これまでの薬とは違い、高い効果が客観的な数値で証明されているため、世界中で需要が供給を上回る状態が続いています。
製薬ビジネスは一度特許を取れば、長い期間その利益を独占できるのが大きな強みです。工場を増やして生産量を上げれば上げるほど、1株あたりの利益はさらに跳ね上がっていくでしょう。
| 項目 | イーライリリー(LLY)の内容 | 他との違い |
| 主力製品 | マンジャロ, ゼップバウンド | 肥満治療という巨大な市場を独占 |
| EPS成長率 | 30%を超える高い成長 | 新薬の発売により成長が加速中 |
| 稼ぐ仕組み | 特許による独占販売 | 他の会社が真似できないバリアがある |
| 将来の種 | アルツハイマー病の治療薬 | 次のヒット候補も控えている安心感 |
一般的な製薬会社は、特許が切れると利益がガクンと落ちるのが心配ですが、イーライリリーは今まさに「最強の時期」に入っています。これほどまでに需要が約束されているビジネスは、他に類を見ません。
企業向けセキュリティで強いクラウドストライク
クラウドストライクは、巧妙になるサイバー攻撃から企業を守るクラウド型のセキュリティを提供しています。
この会社のシステム「ファルコン・プラットフォーム」は、一度導入すると世界中の攻撃情報をリアルタイムで共有します。一箇所で起きた攻撃を瞬時に学習し、すべてのユーザーを同時に守ることができる画期的な仕組みです。
企業にとってセキュリティは「削れない経費」であるため、不況になっても契約が解約されにくいのが特徴です。ユーザーが増えるほど守りが強くなるというネットワーク効果があり、利益が積み上がるスピードは年々速まっています。
| 項目 | クラウドストライク(CRWD) | 他との違い |
| サービス名 | ファルコン・プラットフォーム | クラウドだけで完結する軽快さ |
| 契約の形 | サブスクリプション(月額制) | 毎年決まったお金が入る安定感 |
| EPS成長率 | 30%以上の安定した伸び | シェアを広げながら利益もしっかり出す |
| 利益の源泉 | ユーザーが増えるほどコストが下がる | 規模が大きくなるほど儲かる体質 |
古いタイプのセキュリティ会社が苦戦する中で、クラウドストライクは次世代のリーダーとして君臨しています。利益率の改善スピードが速く、プロの投資家も高く評価している一社です。
株価の上昇とEPS成長率に深い関係がある理由
「なぜそんなにEPSという数字にこだわるの?」と不思議に思うかもしれませんね。実は、株価の動きを長い目で見ると、その正体は「EPS(1株あたりの利益)」と「PER(投資家の期待)」の掛け算でできているからです。利益が増えない会社の株価がずっと上がり続けることは、物理的にあり得ないと言っても過言ではありません。
1株あたりの利益が株価の土台になる
株価は、いわば「会社の利益という土台」の上に乗っているものです。土台であるEPSが20%増えれば、株価もそれに合わせて20%上がるのが自然な形です。
もし利益が全く増えていないのに株価だけが上がっているなら、それは「バブル」かもしれません。EPSがしっかり伸びている会社を選ぶことは、足元が固まった確実性の高い投資をするための第一歩となります。
投資家の期待が株価収益率を押し上げる仕組み
「この会社はもっと儲かるはずだ」と多くの人が期待すると、PER(株価収益率)という倍率が上がります。利益の成長が速い会社ほど、投資家は「高いお金を払ってでも今のうちに買っておこう」と考えます。
- EPSが20%増える
- 期待が高まってPERも20%上がる
- 結果として株価はそれ以上の勢いで跳ね上がる
この相乗効果が起きるのが、成長株投資の最大の醍醐味です。利益が伸びている会社は、自然と投資家の期待も集めるため、株価が2倍、3倍になるチャンスが生まれます。
利益が増えれば配当も出しやすくなる
EPSが増えるということは、会社の手元に残る自由なお金が増えるということです。そうなれば、株主に配当金を配ったり、さらに自社株買いをしたりする余裕が生まれます。
成長株は配当を出さないイメージがあるかもしれませんが、利益が積み上がった後に「増配」を発表するケースも多いです。利益成長は、将来の配当金やさらなる株価上昇のための「ガソリン」のような役割を果たしています。
売上高の伸びと利益成長率をセットで確認する手順
数字を見る時に、EPSだけをチェックするのは少し危険です。まれに、売上は全く伸びていないのに、リストラやコスト削減だけで無理やり利益を絞り出している会社があるからです。本当の意味で「成長」している会社を見抜くには、以下の3つのステップで数字の裏側を確認しましょう。
収益が伸びていないのに利益だけ増えるワナ
売上高が横ばいなのに利益だけが増えている会社は、いつか限界が来ます。コスト削減には限界がありますが、売上の拡大には限界がないからです。
一番理想的なのは、売上が20%伸び、利益はそれ以上の30%伸びているような状態です。「新しいお客さんが増えているか」「新しいサービスが売れているか」という売上の伸びを必ずセットで確認してください。
営業キャッシュフローの推移を追いかける
利益という数字は会計上のルールで多少操作できてしまいますが、実際に銀行口座に入ってきた「現金(キャッシュ)」は嘘をつきません。営業キャッシュフローという項目を見て、利益と同じように増えているかを確認しましょう。
利益は出ているのにお金が全然増えていない会社は、どこかに無理があるサインです。「稼いだ利益」がしっかりと「本物の現金」として会社に残っているかを確認することで、粉飾や業績の偽りを見抜くことができます。
競合他社に比べて利益を出す力が強いか
一つの会社だけを見て満足せず、ライバル会社と数字を並べてみましょう。業界全体が良い時、その会社が他よりも高い成長率を出せているなら、それは本物の強みがある証拠です。
- 100円売って残る利益の額が他より多いか
- 新しい製品を出すスピードが他より速いか
- お客さんが他に移りにくい仕組みがあるか
こうした比較を行うことで、たまたま運が良かっただけの会社と、実力で勝っている会社をハッキリと見分けることができます。
高成長な米国株リストを扱う際に注意したいリスク
成長株投資は、大きな利益が狙える分、逆風が吹いた時のダメージも大きくなりがちです。お宝銘柄を見つけたからといって、無防備に飛びつくのは隣の友人にはおすすめできません。守りを固めながら、賢くチャンスを掴むために知っておくべき3つのリスクをお伝えします。
成長が止まった瞬間に株価が急落する可能性
成長株は「これからも高い成長が続く」という期待で買われています。もし、決算で発表されたEPSの伸びが15%に落ちてしまったら、投資家は「成長が止まった!」と判断して一斉に売りに出します。
期待が大きかった分、落胆も大きいため、株価が1日で20%以上下がることも珍しくありません。常に「次の決算でも20%を超えられるか」という視点を持ち、業績が鈍化し始めたら一度撤退する勇気も必要です。
金利が上がった時の割高な銘柄への影響
米国の金利が上がると、将来の利益への期待で買われている成長株の株価は下がりやすくなります。金利が高いと、リスクを取って株を買わなくても銀行に預ければいいと考える人が増えるからです。
特にPERが高い銘柄は、金利の影響を真っ先に受けます。世の中の金利の動きをチェックし、あまりにも割高になりすぎている時は、少しずつ利益を確定させておくのが賢い立ち回りです。
為替の変動が日本円での利益を削る恐れ
米国株を日本円で買っている場合、ドル円のレートも無視できません。株価が20%上がっても、20%の円高が進んでしまえば、日本円での利益はゼロになってしまいます。
- 円安の時にまとめて買いすぎない
- 定期的に時期を分けて購入する(時間分散)
- 利益が出たら円に戻すのか、ドルのまま持つのか決めておく
為替は誰にも予測できませんが、一気に全額を投資しないというルールを守るだけで、このリスクをある程度コントロールできるようになります。
優良企業を探すために便利な無料サイトの使い方
難しい英語の決算書を読まなくても、今は便利なツールが無料で使えます。プロの投資家も使っているサイトを活用して、自分だけの「20%超えリスト」をサッと作れるようになりましょう。誰かに教えてもらうのを待つのではなく、自分で数字を叩き出す面白さを体験してみてください。
フィンビズでスクリーニングする
「Finviz(フィンビズ)」というサイトのスクリーナー機能を使えば、数千社の中からお宝銘柄を一瞬で絞り込めます。
- 「EPS growth past 5 years」を「Over 20%」に設定
- 「EPS growth next 5 years」を「Over 20%」に設定
- 「Institutional Ownership」を「Over 60%」に設定
これだけで、過去もこれからも成長が期待され、プロの投資家も買っている銘柄がリストアップされます。 眺めているだけでも、今どんな業界が勢いがあるのかが見えてきます。
シーキングアルファでアナリストの予想を見る
「Seeking Alpha(シーキングアルファ)」というサイトでは、プロのアナリストたちがこれからの業績をどう予想しているかをグラフで見ることができます。
自分が目をつけた銘柄が、これから先も20%以上の成長を続けられそうか、複数のプロの意見を確認できます。一つの意見だけでなく、多くの専門家が「買い」と判断しているかを知ることで、自信を持って投資できるようになります。
米国版ヤフーファイナンスで推移を確認する
一番手軽なのは、米国版のYahoo Financeです。銘柄コード(ティッカー)を入れるだけで、過去数年分の利益の推移が綺麗なグラフで表示されます。
「Analysis」というタブを開けば、これからの利益予想も詳しく載っています。数字がガタガタしておらず、綺麗な右肩上がりを描いている会社を探す。これだけでも、投資の精度は格段に上がります。
EPS成長率が高い銘柄をポートフォリオに組み込む方法
最後は、見つけた銘柄をどうやって自分の資産(ポートフォリオ)に組み込むかです。成長株は刺激が強いため、使いどころを間違えると資産全体のバランスが崩れてしまいます。「守り」と「攻め」を両立させるための、具体的な買い方のコツをお伝えします。
一度に全額を入れずに時期を分ける買い方
成長株は値動きが激しいため、たまたま高い日に全額を買ってしまうと、その後の値下がりに耐えられなくなります。資金を3回から5回に分けて、数ヶ月かけて買うようにしましょう。
株価が下がった時に「安く買えてラッキー」と思える心の余裕が、投資を成功させる鍵です。時間分散をすることで、平均的な購入単価を抑え、精神的にも楽に投資を続けることができます。
インデックス投資を土台にする組み合わせ
資産のすべてをEPS成長株にするのは、リスクが大きすぎます。資産の7割から8割をS&P500などのインデックス銘柄(守り)に置き、残りの2割から3割を今回のような成長株(攻め)に割り当てるのが理想です。
これをコア・サテライト戦略と呼びます。土台が安定しているからこそ、成長株の大胆な値上がりを安心して待つことができるのです。 万が一の暴落の際も、インデックス銘柄があなたの資産を支えてくれます。
成長が止まった時の見切りのルール
「成長株をいつ売るか」は非常に難しい問題ですが、答えはシンプルです。買う理由だった「EPS成長率20%超え」が崩れた時が、売りのタイミングです。
- 決算で利益の伸びが20%を下回った
- 売上の伸びが急激に鈍化した
- ライバル会社にシェアを奪われ始めた
こうした変化を感じたら、未練を残さず一度売却して、次の「本物の成長株」に乗り換える。 この新陳代謝を繰り返すことで、あなたの資産は常に勢いのある場所に置かれ続けることになります。
まとめ:稼ぐ力が強い米国株を味方につけて資産を育てる
EPS成長率20%超えの米国株は、いわば「資産形成のブースター」です。会社の稼ぐ力を信じて投資をすることで、インデックス投資だけでは得られない大きなリターンを狙うことができます。
- EPS(1株あたり利益)は、株価を押し上げる本当のガソリン。
- 年20%以上の成長を3年以上続けている会社は、仕組みがしっかりしている。
- エヌビディア、イーライリリー、クラウドストライクのように、替えが効かない技術を持つ会社に注目する。
- 売上高の伸びやキャッシュフローもセットで確認して、数字の偽りを見抜く。
- 金利の上昇や成長の鈍化には注意し、自分なりの売却ルールを決めておく。
- フィンビズなどの無料ツールを使って、定期的にお宝銘柄を探す習慣をつける。
- 資産の2〜3割を上限に成長株を組み込み、時間分散して賢く買う。
米国株には、世界を驚かせるような成長企業が次々と現れます。今回紹介した数字の基準を武器に、あなた自身の目で見つけた優良企業とともに、楽しく資産を育てていきましょう。
