金地金と金貨はどっちが得?換金性とプレミアムの差を徹底比較

「将来のために金を買っておきたいけれど、塊(インゴット)とコインどっちがいいの?」と迷っていませんか。

金は世界中で価値が認められている安全な資産ですが、買い方一つで手数料や税金の手間が大きく変わります。

いざ現金に戻そうとした時に「こんなはずじゃなかった」と後悔するのは避けたいですよね。

この記事では、投資のプロも意識している金地金と金貨の決定的な違いをわかりやすくお話しします。

それぞれのメリットはもちろん、換金する時の「200万円の壁」や税金で得をするコツまで具体的にまとめました。

読み終わる頃には、今のあなたにとって一番お得な金の持ち方がはっきりと見えてくるはずです。

目次

資産を守るなら金地金と金貨はどっちが得か

大切なお金を守るために金を選ぶなら、まずは「いくら分買うか」をイメージしてみてください。

実は、まとまった金額を一度に動かすなら塊のほうが効率的ですが、少しずつ買い足すならコインのほうが使い勝手が良いんです。

自分の投資スタイルに合わせないと、無駄なコストを払うことになりかねません。

手数料の安さで選ぶなら大型の金地金

金地金(インゴット)は、余計な装飾を省いた「金の塊」そのものです。

500gや1kgといった大きなサイズで買うと、1gあたりの手数料がもっとも安くなるのが最大の特徴と言えます。

田中貴金属工業などの大手業者では、500g以上の取引なら加工手数料(バーチャージ)がかからないのが一般的です。

大きな金額を一度に金に換えたい人にとって、地金はもっとも純粋に金の価格の恩恵を受けられる手段です。手数料という無駄な出費を徹底的に削って資産を増やしたいなら、大型のインゴットが一番の近道になります。

少額からコツコツ貯めるなら地金型金貨

一方で、数万円から数十万円という単位で買いたいなら、金貨がとても便利です。

カナダのメイプルリーフ金貨やオーストリアのウィーン・フィル金貨などは、世界中の政府が中身を保証している投資用のコインです。

これらは1オンス(約31.1g)以下の小さな単位で買えるため、お小遣いの範囲で少しずつ集めることができます。

金地金も小さなサイズはありますが、500g未満だと数千円から数万円の手数料が上乗せされてしまいます。

少額取引なら、最初からコインを選んだほうが結果的に安く済むケースが多いです。

結論として投資目的や金額で正解は変わる

結局のところ、どちらが得かは「あなたがいくら持っているか」で決まります。

数千万円単位の資産をドカンと金に変えるなら、間違いなく大型の金地金が有利です。

逆に、毎月少しずつ積み立てる感覚で持ちたいなら、金貨のほうが小回りがきいてお得です。

自分のゴールが「大きな資産の置き場所」なのか、「毎月のコツコツ貯金」なのかを考えてみてください。自分の資金額に合ったほうを選ぶだけで、最初の一歩で損をするリスクをぐっと減らせます。

金貨特有のプレミアムと金地金のバーチャージの差

金を買う時には、金の時価以外に「手間賃」のようなお金がかかっています。

金貨の場合は「プレミアム」、金地金の場合は「バーチャージ」という名前で呼ばれます。

この2つの言葉の意味を知っておくだけで、お店での価格の見方がガラリと変わります。

金貨の価格に含まれる「製造コスト」の正体

金貨の価格には、金をコインの形に加工したり、海外から日本へ運んだりするためのコストが上乗せされています。

これが「プレミアム」と呼ばれるもので、金の重さあたりの価格よりも数%ほど高く設定されています。

綺麗なデザインを刻印したり、偽造防止の技術を詰め込んだりするための「職人代」だと考えるとわかりやすいです。

投資用金貨は単なる金ではなく、芸術品のような価値も少し含まれているイメージです。金貨を買う時は、このプレミアムという上乗せ分があることを忘れないようにしましょう。

小型地金を買う時に上乗せされる加工手数料

金地金の場合、500gより小さなサイズ(100gや50gなど)を買うと「バーチャージ」という手数料が発生します。

小さな塊を作るには手間がかかるため、その分を買い手が負担する決まりになっています。

例えば、100gの地金を5本買うよりも、500gを1本買ったほうが、この手数料分だけ安くなります。

最近では田中貴金属工業などで、小型地金の購入枚数に制限がかかることもあります。

欲しい時にパッと買えないリスクも考えて、手数料のかからないラインを意識するのが賢いやり方です。

売却した時にプレミアム分は戻ってくる?

金貨を売る時には、買った時に払ったプレミアムの一部が価格に乗って戻ってきます。

つまり、プレミアムは「取られっぱなし」ではなく、価値の一部として認められているわけです。

一方、地金のバーチャージは売る時にもう一度取られることがあるため、往復でコストがかかってしまいます。

  • 金貨:買う時にプレミアムを払い、売る時にプレミアム分を含めて買い取ってもらう。
  • 金地金:500g未満なら買う時にバーチャージを払い、売る時もサイズ次第で手数料がかかる。

このように、売却時のことまで考えると、コインのほうがシンプルで分かりやすい料金体系と言えるかもしれません。

売りやすさと換金性で選ぶなら小回りの利く金貨

金をいつか現金に戻す時のことを「換金性」と呼びます。

実は、現物投資で一番困るのが「必要以上の現金を一度に手にしてしまうこと」です。

金貨であれば、その時の都合に合わせて「1枚ずつ売る」という柔軟な使い方ができます。

1オンス単位でバラして現金化できる強み

金貨の大きな魅力は、1枚(1オンス=約31.1g)単位で小分けに持てることです。

「ちょっと車の修理代が必要になった」「孫の入学祝いで10万円だけ現金が欲しい」という時に、金貨を1枚だけ売れば事足ります。

これなら、残りの金はそのまま運用し続けることができて効率的です。

インゴットだと、1kgの塊を半分だけ切って売ることはできません。

全部売って現金にするしかないため、資産を一気に手放すことになってしまいます。将来少しずつ切り崩して使いたいなら、金貨という「小銭」の形で持っておくのが大正解です。

どこでもすぐに買い取ってもらえる共通の価値

世界的に有名な金貨であれば、日本だけでなく海外のどこへ行ってもすぐに現金化できます。

メイプルリーフやウィーン・フィル金貨は、その国の政府が重さと純度を保証しているからです。

鑑定に時間がかかることも少なく、その日の相場ですぐに買い取ってもらえます。

  • カナダ政府が保証する「メイプルリーフ金貨」
  • オーストリア造幣局が発行する「ウィーン・フィル金貨」
  • オーストラリアが保証する「カンガルー金貨」

これらは世界共通の通貨のような安心感があります。どこへ行っても価値が変わらないという安心感は、コインならではの強みです。

災害時や緊急時に持ち出しやすいサイズ感

万が一、災害などで自宅を離れなければならない時、金貨ならポケットやバッグに忍び込ませて持ち出せます。

重さも1枚30g程度なので、数枚持ってもまったく負担になりません。

1kgの金地金だとずっしり重く、隠して持ち運ぶのも一苦労です。

緊急時に「動かせる資産」として金を持つなら、コンパクトな金貨のほうが圧倒的に有利です。

守りの資産として、いつでも持ち運べる形にしておくことは大きな安心につながります。

200万円超えの売却で発生する支払調書の提出ルール

金を売って現金にする時、絶対に知っておかなければならないのが「200万円の決まり」です。

一度にたくさん売りすぎると、あなたの取引内容が自動的に税務署へ報告されることになります。

これを知らないと、確定申告の時期に慌てることになりかねません。

税務署に取引内容が通知されるボーダーライン

金地金や金貨を売った時の金額が「1回で200万円」を超えると、買取業者は税務署に報告書を出さなければなりません。

これを「支払調書」と呼び、誰が、いつ、いくらで金を売ったかが役所に知られることになります。

これは脱税を防ぐための今の法律で決まっているルールです。

悪いことをしていなくても、役所にマークされるのはあまり気持ちの良いものではありませんよね。スムーズに取引を終えたいなら、この200万円という数字を常に頭に入れておく必要があります。

マイナンバーの提示が必要になる具体的な場面

200万円を超える取引を行う際は、必ずマイナンバーの提示を求められます。

マイナンバーカードや通知カードを持っていないと、買い取ってもらえないことすらあります。

業者側も法律で義務付けられているため、ここを曖昧に済ませることはできません。

身分証明書だけでなくマイナンバーまで用意するのは、意外と手間に感じるものです。

特に家族に内緒で金を売ろうとしている場合などは、この手続きで戸惑う人が多いので気をつけてください。

売却を数回に分けて報告義務を避ける方法

金貨の素晴らしいところは、1枚あたりの単価が200万円を下回ることが多い点です。

例えば10枚の金貨を持っていても、今日は1枚、来週は2枚というように分けて売れば、1回の取引が200万円を超えません。

そうすれば、支払調書の提出対象外となり、余計な手間をかけずに現金化できます。

インゴットの場合、1kgの塊だと2026年現在の相場では1000万円を軽く超えてしまいます。

売る時に必ず200万円の壁にぶつかってしまうのが地金の弱点です。報告の手間を省いてスマートに換金したいなら、金貨で小分けに持つのが一番の対策になります。

投資金額に合わせて金地金か金貨かを決める基準

「結局、自分はどっちを買えばいいの?」という疑問にお答えします。

目安となるのは、あなたが「今持っている軍資金」の大きさです。

無理な買い方をして手数料で損をしないよう、自分にぴったりの基準を見つけましょう。

500g以上のインゴットを買えるまとまった資金

もし、一度に500万円や1000万円といった大金を使えるなら、迷わず500g以上の金地金を選んでください。

このサイズなら加工手数料が無料になるため、1gあたりのコストを極限まで下げられます。

一番効率よく、純粋な「金の山」を作ることができます。

大きな金庫を持っていて、しっかり保管できる環境がある人にも地金は向いています。まとまった資産の「逃がし場所」として金を使うなら、大型地金が最高にコスパが良いです。

月数万円の余剰資金を金貨に換えるステップ

「毎月の給料から少しずつ将来に備えたい」という人は、金貨一択です。

1/4オンス(約7.7g)や1/10オンス(約3.1g)といったさらに小さな金貨もあります。

これなら、数万円単位でお金が浮いた時に、その都度本物の金を手に入れることができます。

インゴットを分割して買うと手数料負けしてしまいますが、金貨ならその心配がありません。

自分のペースに合わせて、少しずつコレクションを増やすように資産を作れるのが魅力です。

家族へ少しずつ譲り渡すならどちらが便利?

将来、子どもや孫に資産を譲りたいと考えている場合も、金貨のほうが圧倒的に便利です。

「一人に金貨を3枚ずつ」というように、公平に分けることができるからです。

インゴットだと一人にしか渡せなかったり、わざわざ売って現金にしてから分けたりしなければなりません。

比較項目地金型金貨金地金(500g以上)
主な適正金額数万〜数百万円500万円以上〜
加工手数料プレミアムのみ(安価)無料(500g以上の場合)
換金のしやすさ1枚単位で売れる全額一括での売却
他との違い政府保証の安心デザインLBMA公認の純粋な塊
おすすめの人初心者、コツコツ貯めたい人富裕層、一括投資したい人

贈与税の範囲内で少しずつ渡すのにも、金貨は最適なツールになります。

自分だけでなく、家族の将来まで見据えた時にどちらが扱いやすいか、一度考えてみてください。

長期保有で有利になる税金の仕組みと50万円控除

金を売って利益が出た時、国に払う税金のことも忘れてはいけません。

実は金投資には「長く持てば持つほど税金が安くなる」というお得なルールがあります。

これを知っているだけで、手元に残る現金が数十万円変わることも珍しくありません。

譲渡所得として計算される利益の出し方

金を売って得た利益は、専門用語で「譲渡所得」と呼ばれます。

「売った金額」から「買った時の金額」と「手数料」を引いたものが、あなたの純粋な利益です。

この利益のすべてに税金がかかるわけではないので安心してください。

金投資には、他の利益と合わせて年間50万円までなら税金がかからない「特別控除」という枠があります。年間の利益を50万円以内に収めて売れば、税金を1円も払わずに済むケースが多いのです。

5年持てば税金が半分になる「長期保有」の壁

金投資の最大の裏技は、5年以上の長期保有です。

買ってから5年を過ぎて売ると、なんと課税対象となる利益の金額を「半分」にしてもらえます。

短期で売買するよりも、じっくり寝かせておいたほうが圧倒的に有利な仕組みになっています。

急いでお金にする必要がないなら、とにかく5年経つのを待ちましょう。

この「半分ルール」があるおかげで、金は長期の資産形成にとても向いていると言えます。

確定申告が必要になる人と不要な人の違い

年間の利益が50万円以内であれば、基本的には確定申告の必要はありません。

しかし、200万円を超える売却をして支払調書が出された場合や、他の所得と合わせて大きな利益が出た場合は申告が必要です。

「自分はいくら儲かっているのか」を常に把握しておくことが大切です。

税金の話は難しく感じますが、「50万円控除」と「5年以上で半分」の2つだけ覚えておけば大丈夫です。

これだけで、金投資の税金対策の8割はカバーできたも同然です。

偽物リスクや保管のしやすさを考えた現物管理

最後に、本物の金を持つからこそ気をつけたい「偽物」と「盗難」のお話です。

せっかく買った金が偽物だったり、盗まれたりしたら元も子もありません。

安心して金を眠らせておくための、プロのアドバイスをお伝えします。

刻印で本物を証明する金地金の信頼性

本物の地金には、必ずロンドン地金市場協会(LBMA)という世界一厳しい組織が認めた「グッドデリバリー・バー」の刻印があります。

ブランド名や純度、製造番号がしっかり刻まれており、これが本物であることの証明書になります。

大手地金商から買えば、まず偽物を掴まされる心配はありません。

逆に、ネットオークションなどで安すぎる地金を買うのは絶対にやめてください。

中身がタングステンという別の金属ですり替えられている偽物が横行しています。信頼できる有名な老舗店で買うことが、偽物リスクをゼロにする唯一の方法です。

複雑なデザインが偽造を防ぐ金貨の安心感

金貨は、その精巧なデザイン自体が偽造を難しくしています。

政府が総力を挙げて作っているため、偽物を作ろうとしてもコストがかかりすぎて採算が合いません。

そのため、一般的にはインゴットよりも金貨のほうが偽物リスクは低いと言われています。

また、コインには直径や厚みが決まっているため、重さを測るだけで本物かどうかを判断しやすいメリットもあります。

初心者でも安心して手を出せるのが、金貨の隠れた良さと言えるでしょう。

自宅の金庫や貸金庫で安全に眠らせる方法

現物を手元に置くなら、保管場所は慎重に選んでください。

「仏壇の奥」や「タンスの引き出し」は、泥棒が真っ先に狙う場所です。

重さのある耐火金庫を床に固定して入れるか、銀行の貸金庫を利用するのが一番安全です。

貸金庫は年間数万円の費用がかかりますが、火事や盗難の心配から解放されるメリットは大きいです。「守るためのお金」をケチって資産を失わないよう、保管にはしっかり投資しましょう。

まとめ:あなたの投資額に合わせた「金の形」を

金地金と金貨、どちらが得かはあなたの投資プラン次第で決まります。

どちらを選んでも、金という資産が持つ「価値を失わない強さ」は変わりません。

  • 500g以上の大型地金は、手数料が無料になりもっともコスパが良い。
  • 地金型金貨は少額から買えて、プレミアムのおかげで価格が安定している。
  • 換金のしやすさで選ぶなら、1枚単位で売れる金貨が圧倒的に便利。
  • 1回の売却額が200万円を超えると、税務署に通知されるルールがある。
  • 5年以上保有して売ると、税金が半分になる「長期保有」の特典がある。
  • 金貨なら200万円の壁を避けやすく、マイナンバー提示の手間も減らせる。
  • 偽物リスクを避けるため、必ず田中貴金属などの信頼できる大手で購入する。

まずは無理のない金額から始めてみてください。

金貨を1枚手にするだけでも、あなたの資産形成はこれまでとは違う安心感に包まれるはずです。

実物の金の輝きを自分の目で確かめながら、賢く資産を守っていきましょう。

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この記事を書いた人

MONEY STUDIO編集部は、投資・金融分野の情報収集・分析を行う複数名の編集メンバーで構成されています。
一次情報・公式データ・実体験をもとに記事を制作しています。
特定の金融商品や投資手法を過度に推奨することはなく、メリットだけでなくデメリットやリスクも明示することを編集方針としています。

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