日本株を除くとリターンはどうなる?先進国株式と全世界株式の差を検証

「新NISAで積み立てを始めるなら、オルカンがいいの?それとも日本を除いたほうがいいの?」と迷っていませんか。

テレビやSNSで「全世界株式(オール・カントリー)」が一番人気だと聞くと、とりあえずそれを選びたくなります。

でも、よく見ると「日本を除く」という選択肢もあり、リターンにどんな差が出るのか気になるところです。

この記事では、日本株を外した場合の成績やメリット、デメリットをわかりやすく比較しました。

結論から言うと、過去のデータでは日本を除いたほうがわずかにリターンが高くなる傾向がありました。

最後まで読めば、自分の考えにぴったりの銘柄を自信を持って選べるようになります。

目次

日本株を除くとリターンはわずかに高くなる傾向がある

過去の運用成績を振り返ると、日本株を含まない「先進国株式」のほうが、日本を含む「全世界株式」よりも高いリターンを出してきました。

これは、世界を引っ張るアメリカ企業の勢いが非常に強く、その比率が日本を除いたほうがアップするからです。

成長を牽引する米国株の比率が上がる

日本株を除いたインデックス(MSCIコクサイ)を選ぶと、アメリカ株の割合が約70%以上まで高まります。

アップルやマイクロソフト、エヌビディアといった世界トップ企業の成長を、より濃く資産に取り込めるのが特徴です。

日本株が入っていると、その分だけアメリカ株の比率が下がるため、爆発力はどうしても抑えられてしまいます。

もちろん、特定の国に偏りすぎるのはリスクでもあります。

しかし、これまでの数十年は「アメリカ一強」の状態が続いてきたため、日本を除いたほうが結果的にリターンが良くなりました。アメリカ経済の成長を信じて効率よく増やしたいなら、日本株なしは有力な選択肢です。

停滞していた日本株のマイナス影響を減らせる

日本経済は「失われた30年」と言われるように、長い間株価が低迷していました。

全世界株式の中に日本株が入っていると、この停滞していた時期の「お荷物」を抱え込んでしまうことになります。

日本株を除外することで、成長が鈍い部分をそぎ落とし、元気な海外企業だけに資金を集中させられます。

最近は日本株も息を吹き返してきましたが、人口減少などの根本的な問題は残ったままです。

将来の成長性を世界と比べた時に、あえて日本を持つ必要はないと考える投資家は少なくありません。

円安が進んだ時に資産が膨らみやすい

日本株を除いた銘柄は、中身が100%「外国の通貨」でできています。

そのため、ニュースでよく聞く「円安ドル高」が進むと、日本円に直した時の資産額が大きく増えます。

日本円の価値が下がるほど、外貨で持っている資産が輝きを増す仕組みです。

日本株を含んでいると、その部分には為替の影響がありません。

「これからもっと円安が進むかも」と不安に思うなら、日本株を外して外貨の比率を最大に高めるのが得策です。

先進国株式と全世界株式の中身はどう違う?

似たような名前の銘柄ですが、中身を開けてみると投資している国の数が違います。

「先進国株式(日本除く)」と「全世界株式」の決定的な違いを整理しておきましょう。

日本を除いた先進国22カ国に投資する仕組み

「先進国株式(日本除く)」は、主にMSCIコクサイという指数に連動して動きます。

アメリカを中心に、イギリス、フランス、カナダといった成熟した22カ国の企業、約1200社に分散して投資します。

ここには日本株は1ミリも含まれておらず、純粋に海外の先進国を応援する内容です。

「日本以外の豊かな国々に投資したい」という要望にぴったりのパッケージと言えます。

新興国のような激しい値動きも少ないため、比較的どっしりと構えて投資を続けられるのが魅力です。

新興国まで含めてまるごとカバーする範囲

一方で「全世界株式(オール・カントリー)」は、先進国だけでなくインドや中国などの新興国まで含みます。

投資先の国は約47カ国に広がり、企業の数も約2800社と非常に幅広いです。

これ一株持つだけで、地球上の主要な市場すべてにお金を預けている状態になります。

日本株もこの中に約5.5%ほど含まれています(2024年末時点)。世界中のどこでチャンスが生まれても逃さずキャッチしたいなら、全世界株式が適しています。

どちらを選んでも米国が主役である事実

意外かもしれませんが、日本株を入れる入れないにかかわらず、どちらも主役は「アメリカ」です。

全世界株式であっても、約6割以上はアメリカ株が占めています。

結局のところ、どちらの銘柄を選んでも運用成績の大部分はアメリカの景気に左右されます。

「日本株の有無」で悩むのは、実はポートフォリオの数パーセントの調整をしているに過ぎません。

どちらが正解というわけではなく、最後は「自分の好みの味付け」で決めても問題ない程度の差です。

日本株をポートフォリオから外すメリット

日本に住んでいる私たちにとって、あえて「日本株を持たない」選択には合理的な理由があります。

資産運用は、単にお金を増やすだけでなく、リスクをバラバラに散らすことが大切だからです。

自分の給料や年金との重複を避けられる

私たちは日本で働き、日本円で給料をもらい、将来は日本円で年金を受け取ります。

これ自体が「日本という国に全力投資している」状態と同じです。

もし投資信託でも日本株をたくさん持つと、日本の景気が悪くなった時にすべてが共倒れになってしまいます。

投資の世界では、これを避けるために「自国の資産をあえて持たない」という戦略がよく使われます。仕事や年金が日本ベースだからこそ、投資だけは外の世界に広げるのが賢いリスク管理です。

100%外貨で持つことで円安対策を強化する

日本株を除外すると、あなたの資産はすべてドルやユーロといった外貨になります。

これは、日本の物価が上がったり、円の価値が下がったりした時の強力な保険になります。

最近の物価高で、「円だけ持っているのは怖い」と感じた人も多いはずです。

外貨資産をしっかり持っておけば、円安で輸入品が高くなっても、資産の評価額が上がることでダメージを打ち消せます。

日本株を外すことは、自分の生活を守るための攻めの防御になるのです。

世界トップクラスの成長企業に資金を集中させる

日本にもトヨタやソニーといった素晴らしい企業はありますが、世界で見ればGAFAMのような巨大IT企業が成長をリードしています。

日本株を外すことで、そうした世界ランク上位の企業に、より多くのお金を振り向けることができます。

限られた軍資金をどこに投じるか考えた時、より打率が高そうな「海外のスター選手」に絞る考え方です。

世界中の優秀な頭脳が稼ぎ出す利益を、余さず受け取りたい人に向いています。

全世界株式であえて日本株を含めておく理由

リターンだけを見れば日本株なしが有利に見えますが、それでも「全世界株式」を選ぶ人が多いのには理由があります。

それは、将来何が起こるか誰にも予測できないからです。

日本株が急上昇した時の波に乗り遅れない

2023年から2024年にかけて、日経平均株価はバブル期の最高値を更新して大きく上がりました。

この時、日本株を外していた投資家は、隣で喜んでいる日本人投資家を横目に見るしかありませんでした。

「日本はダメだ」と決めつけて外してしまうと、こうしたお祭り騒ぎに参加できなくなります。

日本企業も株主還元に力を入れ始め、世界から注目される存在に変わりつつあります。もしもの時の「爆上げ」を取りこぼしたくないなら、5%程度でも日本株を持っておく価値はあります。

どの国が伸びても対応できる究極の分散

今はアメリカが最強ですが、20年後、30年後にどの国が勝っているかはわかりません。

もしかすると日本が奇跡の復活を遂げているかもしれません。

全世界株式は、各国の時価総額に合わせて自動で比率を調整してくれます。

日本が成長すれば日本の比率が上がり、沈めば勝手に下がります。

「自分で判断して国を選ぶのは無理」という人にとって、何も考えずに丸投げできる安心感は代えがたいものです。

日本円での資産価値を一定量キープする安心感

すべての資産を外貨にしてしまうと、急激な「円高」が来た時にガクンと資産が減って見えます。

日本株が少しでも入っていれば、その部分は円高の影響を受けません。

精神的なクッションとして、自国の資産が混ざっているほうが落ち着くという人もいます。

投資で一番大切なのは、途中で怖くなってやめないことです。

「自分の国の株も入っているから大丈夫」と思えることが、長く続けるための秘訣になる場合もあります。

過去のデータから見えるリターンとリスクの差

具体的な数字で比較してみましょう。

過去30年ほどの長いスパンで見ると、日本株を外したことによる影響がはっきりと見えてきます。

過去10年から30年の運用成績を数字で比める

過去30年の平均利回りを比べると、日本を除く先進国株式(MSCIコクサイ)が、全世界株式(MSCI ACWI)を年率で1%前後上回る時期が長くありました。

「たった1%?」と思うかもしれませんが、複利で30年運用すると、最終的な資産額には数百万円の差がつきます。

もちろん、これは「過去の日本株が不調だったから」という理由が大きいです。

これから先の30年も同じ結果になるとは限りませんが、歴史的な事実として知っておいて損はありません。

値動きの激しさにどれくらい違いがあるか

リスク(値動きの幅)については、日本株を除いたほうが若干大きくなる傾向があります。

特定の国(アメリカ)への集中度が上がるため、アメリカでショックが起きるとダイレクトに響くからです。

一方で全世界株式は、日本や新興国が混ざっている分、わずかですが値動きがマイルドになります。

とはいえ、現代の経済はつながっているため、アメリカが下がれば日本も下がることがほとんどです。リスクの差はそれほど大きくないので、リターンの好みを優先して選んでも大きな失敗にはなりません。

暴落が起きた時の踏ん張り具合を検証する

リーマンショックやコロナショックのような大暴落の時、どちらが耐えられるでしょうか。

過去の事例では、日本株を含む全世界株式のほうが、下落幅がわずかに小さく済んだケースがあります。

投資先を分散すればするほど、どこかがダメになっても他が支えてくれる可能性が高まるからです。

ただ、暴落からの立ち直りの速さは、成長力の高い企業が多い先進国株式のほうが優れていました。

「一時的な下げ」をどこまで許容できるかが、銘柄選びのポイントになります。

為替の変動が運用成績に与えるインパクト

「日本株を除く」銘柄を保有することは、為替相場という戦場で戦うことを意味します。

株価の上下だけでなく、円とドルの力関係があなたの資産を大きく左右します。

円安ドル安がリターンの数字を左右する仕組み

海外資産に投資すると、株価が1円も変わらなくても、為替だけで利益が出たり損をしたりします。

1ドル100円の時に買った株が、1ドル150円になれば、それだけで資産は1.5倍です。

日本株を除いた銘柄は、この為替の影響を100%受けることになります。

「円の価値が下がる」と思う人には、これは追い風になります。資産を外貨に変えて守るという点では、日本株なしのほうが効率的です。

日本株を持たない場合の純粋な外貨リスク

逆に、急激な円高が進むと、日本株を持っていないことが裏目に出ます。

1ドル150円から130円になっただけで、資産価値は1割以上目減りしてしまいます。

日本株が入っていれば、その部分だけは為替の荒波から守られるため、ショックを和らげることができます。

将来、日本円が再び強くなると信じているなら、日本株を外すのは少しリスクが高いかもしれません。

自分の生活圏が日本である以上、為替の影響をモロに受ける怖さは理解しておくべきです。

為替ヘッジありとなしで運用のゴールが変わる

為替の変動を打ち消す「為替ヘッジあり」というタイプの商品もあります。

これを選べば円高になっても安心ですが、代わりに「ヘッジコスト」という手数料がかかり、円安の恩恵も受けられなくなります。

基本的には、長期投資であれば「為替ヘッジなし」を選んで、長い目で成長を待つのが王道です。

為替を気にしすぎると、投資の本質である「企業の成長を買う」という目的からズレてしまいます。

多少の円高・円安は「誤差」だと割り切るくらいの気持ちが、日本株なし銘柄には必要です。

失敗しないための投資信託の選び方

どちらのタイプを選ぶにしても、選ぶべき「銘柄」の基準は同じです。

手数料が安く、多くの人が買っている信頼できるファンドを選びましょう。

ここでは、日本株を除く先進国株式の代表格を紹介します。

eMAXIS Slim 先進国株式インデックス

この商品は、日本を除く先進国の企業にこれ一つで投資できる、超低コストな投資信託です。

業界最低水準の手数料を維持することを宣言しており、多くの投資家から支持されています。

項目詳細情報
信託報酬(手数料)年率0.05775%以内
投資対象日本を除く主要先進国22カ国
連動指標MSCIコクサイ・インデックス
運用会社三菱UFJアセットマネジメント
他との違い他社が手数料を下げたら追随するため、常に最安クラスで運用できる。

同じシリーズに「全世界株式(オール・カントリー)」もあり、手数料は全く同じです。

コストに差がないので、純粋に「日本を入れるかどうか」だけで判断して大丈夫です。

運用報告書で隠れコストをチェックする方法

カタログに載っている「信託報酬」以外にも、実は「隠れコスト」という費用がかかっています。

売買手数料や保管費用などがこれに当たります。

これを確認するには、年に一度発行される「運用報告書」を見て、「合計コスト」をチェックするのが一番です。

eMAXIS Slimシリーズのような大手銘柄であれば、この隠れコストも非常に小さく抑えられています。中身がしっかりしているファンドは、見えないところでの手抜きもありません。

純資産総額が右肩上がりで増えているか

もう一つ大事なのが、そのファンドにお金が集まっているかどうかです。

純資産総額(みんなが預けているお金の合計)が増えていれば、運用が安定し、途中で運用が終了する「繰上償還」のリスクが減ります。

有名なインデックスファンドであれば、数千億円から数兆円の規模があるため、安心して長く持てます。

逆に、人気がないファンドは手数料が高くなったり、最悪の場合は強制的に払い戻されたりします。

ランキング上位の常連銘柄から選ぶのが、失敗しないための鉄則です。

新NISAでどちらに投資するか決める判断基準

最後に、新NISAの枠をどう使うか決めるためのヒントをお伝えします。

正解は一つではありませんが、自分の状況に当てはめて考えてみてください。

すでに日本株の個別株を持っている場合

もしあなたが、「優待目的で日本の個別株を持っている」とか「仕事で自社株買いをしている」なら、投資信託では日本株を除外したほうがいいでしょう。

すでに日本に十分な投資をしているので、バランスを取るために海外に特化するのが自然な流れです。

資産全体を眺めて、「日本に偏りすぎていないか」を確認してください。全体のバランスを整えるためのパーツとして、日本株なしの投資信託を活用しましょう。

老後の生活費をすべて円で受け取るリスク

将来、年金だけでは生活できず、投資信託を切り崩して暮らすことになります。

その時、すべての資産が日本円(日本株)だったらどうでしょうか。

もし日本がハイパーインフレになって円の価値が紙くず同然になったら、生活は立ち行かなくなります。

そんな最悪の事態を防いでくれるのが、海外資産です。

「日本に何かあった時のための保険」として、あえて日本株を除いた外貨100%の資産を持っておく価値は十分にあります。

途中で銘柄を入れ替える時の注意点

「最初は先進国株式にしたけど、やっぱりオルカンに変えたい」と思うこともあるかもしれません。

新NISAでは、売却した枠は翌年に復活しますが、その年の枠は使い切ったら終わりです。

コロコロ変えると運用効率が下がるので、できれば最初に決めた方針を10年は貫くのが理想です。

どうしても迷うなら、いっそのこと両方を半分ずつ買うという手もあります。

完璧を目指しすぎて立ち止まるより、納得できる形でまずはスタートさせることが、何よりのリターンにつながります。

まとめ:自分の「好み」と「リスク」で選んで大丈夫

日本株を除くか、全世界を丸ごと買うか。

この悩みは、投資家なら誰もが通る道です。

どちらを選んでも、長期で見れば十分に資産を増やせる可能性が高いので、あまり悩みすぎる必要はありません。

  • 日本株を除くとアメリカ株の比率が上がり、過去のリターンは高かった。
  • 仕事や年金が「日本円」なら、投資では日本を外してリスク分散するのも合理的。
  • 為替の影響を100%受けるため、円安には強いが円高には弱くなる。
  • 全世界株式(オルカン)は、日本が急上昇した時でも波に乗れる安心感がある。
  • どちらを選んでも、中身の6割以上はアメリカ株であり、主役は変わらない。
  • 手数料(信託報酬)はどちらも業界最低水準なので、コスト面での差はない。
  • 自分の今の資産状況や、将来の不安(インフレ対策など)に合わせて選べばOK。

大切なのは、日本が入っていてもいなくても、一度買った銘柄を信じて長く持ち続けることです。

あなたの将来を支えるのは、小さな「差」ではなく、長く積み立てを続けた「時間」です。

納得のいく選択をして、今日から一歩踏み出しましょう。

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この記事を書いた人

MONEY STUDIO編集部は、投資・金融分野の情報収集・分析を行う複数名の編集メンバーで構成されています。
一次情報・公式データ・実体験をもとに記事を制作しています。
特定の金融商品や投資手法を過度に推奨することはなく、メリットだけでなくデメリットやリスクも明示することを編集方針としています。

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