「資産7000万円」という数字は、サイドFIREを目指す人にとって1つの大きな節目です。
この金額があれば、無理に働き続けなくても、投資の利益と少しの仕事でゆとりある暮らしが送れます。
投資信託で資産を増やしつつ、高配当株で毎月の現金を得る、そんな理想的なバランスを一緒に見つけていきましょう。
資産7000万円でサイドFIREするなら比率はどうする?
資産7000万円というまとまったお金をどう分けるかは、サイドFIRE後の心の安定に直結します。
すべてを増やすための投資に回すと暴落時に怖くなりますし、すべてを配当目的にすると資産が伸び悩むからです。
まずは、多くの人が成功している「攻め」と「守り」のバランスについて、具体的な数字を見ていきましょう。
投資信託7割・高配当株3割が王道な理由
この比率の定義は、4900万円を投資信託に、2100万円を高配当株に割り当てるスタイルです。
投資信託を多めに持つことで、世界経済の成長に合わせて自分の資産も大きく育つ仕組みを作れます。
一方で、3割を高配当株にすることで、株価の動きに関係なく現金が手元に届く安心感が得られます。
高配当株から出るお金は、暴落が起きたときの「心の支え」になります。
資産額が一時的に減っても、配当金というお小遣いが振り込まれれば、パニックになって売ってしまうミスを防げるからです。
成長と現金のバランスを保つのに、この7対3の割合はとても優れています。
毎月の生活費から逆算して配分を決める考え方
サイドFIREの計画を立てるときは、自分が1ヶ月にいくら使いたいかを基準にしましょう。
例えば月25万円で暮らすなら、その半分を配当金で賄い、残りを仕事で稼ぐといった具体的なイメージを持ちます。
配当金の目標額が決まれば、高配当株にいくら投資すべきかが自然と見えてきます。
生活費が少ない人なら、投資信託の比率を8割や9割に高めて、資産をさらに大きく育てる選択もできます。
逆に、生活費の多くを投資収入でカバーしたいなら、高配当株を4割や5割に増やす調整が必要です。
自分の理想の暮らしに合わせて、比率を微調整するのが成功の秘訣です。
資産を「育てる」力と「使う」力のバランスを取る
投資信託は「資産を大きくする力」に優れており、高配当株は「資産を現金に変える力」に優れています。
資産7000万円をすべて投資信託に入れると、使うときに自分で取り崩す手間がかかり、売るタイミングに悩むこともあります。
高配当株を混ぜておけば、売る決断をしなくても自動でお金が入ってくるため、使うのが楽になります。
この2つを組み合わせることで、将来への備えと今の生活の楽しさを両立できます。
お金を増やすことだけに集中しすぎると、せっかくのリタイア生活を楽しめなくなってしまうかもしれません。
「今」使えるお金を確保しつつ、「未来」の資産も増やす欲張りな姿勢が大切です。
投資信託をメインに据えて資産の土台を作る
投資信託は、資産7000万円を守りながらじっくり増やしていくためのメインエンジンになります。
世界中の数千もの企業に1本で投資できるため、特定の会社が倒産しても受けるダメージを最小限に抑えられます。
ここでは、サイドFIREを支える土台として、どのような商品を選び、どう向き合うべきかをお伝えします。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の安定感
投資のプロからも絶大な支持を得ているのが、通称「オルカン」と呼ばれるこの商品です。
これ1つで日本を含む世界中の企業に投資できるため、どこの国の景気が良くなってもその恩恵を受けられます。
資産7000万円の大部分を預ける先として、これほど心強い存在はありません。
オルカンは、時価総額に合わせて投資先の比率を自動で調整してくれます。
今はアメリカの企業が強いですが、将来的に他の国が伸びてきても、自分で買い直す必要がありません。
手間をかけずに、世界経済の成長に乗っかることができるのが最大の強みです。
信託報酬が安い商品を選ぶのが鉄則
投資信託で最も重要なのは、運用会社に支払う手数料である「信託報酬」の低さです。
eMAXIS Slim 全世界株式の場合、信託報酬は年0.05775%以内と、驚くほど安く設定されています。
資産が7000万円もあると、わずか0.1%の手数料の差が、10年後には数十万円の差になって現れます。
手数料が高い商品を選んでしまうと、運用で得た利益がどんどん削られてしまいます。
銀行の窓口などで勧められる商品は手数料が高いことが多いため、ネット証券で自分で選ぶのが賢い選択です。
無駄なコストを徹底的に削ることが、資産を長持ちさせる近道になります。
15年以上の長期保有で元本割れを防ぐ仕組み
投資の世界では、短期的には価格が大きく動きますが、長く持つほどプラスに収束するデータがあります。
過去の歴史を見ると、全世界株式に15年以上投資し続けた場合、どのタイミングで始めても元本割れしなかったという結果が出ています。
サイドFIRE後も、焦って売らずに持ち続ける胆力が求められます。
資産7000万円を運用しながら生活する場合、最初の数年で暴落が来ると不安になるものです。
しかし、15年、20年という長い目で見れば、世界経済は右肩上がりに成長していく可能性が高いと言えます。
目先の数字に一喜一憂せず、どっしりと構えて保有し続けることが大切です。
高配当株を組み合わせて現金収入を確保する
高配当株は、保有しているだけで定期的にお金が振り込まれる「自分年金」のような存在です。
投資信託だけだと、お金が必要なときに「今売って損しないかな?」と不安になりがちですが、配当金ならその悩みはありません。
サイドFIREの生活を豊かにするための、賢い銘柄の選び方や組み合わせ方を解説します。
日本株と米国ETFを混ぜて分散を効かせる
配当狙いの投資では、日本の企業とアメリカのETFを組み合わせるのがおすすめです。
日本の高配当株は、私たちが日本円で生活する上で為替の影響を受けないというメリットがあります。
一方で、アメリカの株は成長力が強く、長期的に配当が増え続けてきた歴史があります。
例えば、アメリカの「VYM」というETFを主軸にしつつ、日本の大手銀行や通信会社などを数銘柄持つ形です。
VYMは400以上の優良企業に分散投資しているため、1社が減配しても全体への影響はわずかです。
このように国や企業を分けることで、配当金がパタリと止まってしまうリスクを抑えられます。
配当利回り3〜4%を狙う銘柄選びのコツ
配当利回りが高すぎる銘柄には注意が必要ですが、3〜4%程度なら健全な優良企業が多く見つかります。
利回りだけでなく、その企業が無理をして配当を出していないか、利益が右肩上がりかを確認しましょう。
「増配」といって、毎年配当額を増やしている企業を選ぶのが理想的です。
特に日本の大型株には、財務が安定していて配当を出し続ける意欲が高い企業がいくつもあります。
累進配当(配当を減らさないこと)を掲げている企業をチェックするのも良い方法です。
欲張りすぎず、堅実な利回りの銘柄を積み上げることが、長く続くサイドFIREへの道です。
企業が利益を出し続ける限り増配が期待できる
高配当株の素晴らしいところは、企業が成長すればもらえるお金が増えていく点です。
投資信託の取り崩しは、資産が減る恐怖がありますが、配当金は「金の卵を産むガチョウ」を飼っているようなものです。
ガチョウ(企業)が健康である限り、私たちは卵(配当金)をずっと受け取れます。
長期間保有していると、買った時の株価に対する利回りが10%を超えるような「お宝銘柄」に育つこともあります。
これが、インフレ(物価上昇)に対する強力な対策にもなります。
物価が上がっても、企業の利益が増えて配当も増えれば、生活水準を維持できるからです。
| 商品・種類 | 主な代表例 | 想定利回り | 特徴・違い |
| 投資信託 | eMAXIS Slim 全世界株式 | 5〜7%(成長率) | 再投資で資産を最大化。取り崩しが必要。 |
| 米国ETF | VYM(米国高配当株式) | 2.8〜3.2% | 米国の400社に分散。増配の歴史が長い。 |
| 日本個別株 | 三井住友FG、NTTなど | 3〜4.5% | 日本円で受け取れる。株主優待があることも。 |
新NISAをフル活用して手取り額を最大化する
投資の利益には通常約20%の税金がかかりますが、新NISAを使えばこれがゼロになります。
資産7000万円のうち、1800万円分をこの「非課税枠」に移すだけで、手元に残るお金が劇的に増えます。
サイドFIREを成功させるために、この制度をどう使い倒すべきかを整理しましょう。
つみたて投資枠でインデックス投資を加速させる
新NISAの「つみたて投資枠」は、年間120万円まで投資信託などを購入できる枠です。
ここには先ほど紹介したオルカンのような、低コストで長期運用に向く商品を入れましょう。
非課税期間が無期限なので、20年、30年と持ち続けることで、複利の力が最大限に発揮されます。
毎月定額で買い続けることで、価格が高いときには少なく、安いときには多く買う「ドル・コスト平均法」が効きます。
これにより、平均的な購入単価を下げることができ、着実に資産の土台を固められます。
サイドFIRE後も、無理のない範囲で積み立てを続けるのは賢い戦略です。
成長投資枠で高配当株を非課税で運用する
「成長投資枠」は年間240万円まで使え、投資信託だけでなく、個別の日本株や米国のETFも買えます。
ここに高配当株を組み入れることで、受け取る配当金に税金がかからなくなります。
通常なら10万円の配当が出ても手取りは8万円になりますが、NISAなら10万円がそのままポケットに入ります。
この「2割の差」は、生活費を投資で賄うサイドFIRE生活において非常に大きな意味を持ちます。
配当金を再投資に回す際も、税金が引かれない分、効率よく資産を雪だるま式に増やせます。
高配当株投資を始めるなら、まずはこの枠を優先的に埋めるのが鉄則です。
1800万円の枠を使い切るまでの具体的な年数
新NISAの生涯投資枠は一人1800万円です。
最短で埋めるなら、つみたて枠120万円+成長枠240万円で年間360万円ずつ、5年で完了します。
資産7000万円を持っている人なら、特定口座(課税口座)にある資産を移し替えるだけで、すぐに枠を埋められます。
5年で枠を埋めてしまえば、あとはその中で資産が育つのを待つだけです。
1800万円が年利5%で成長すれば、10年後には約2900万円、20年後には約4700万円になります。
これだけの金額が非課税で運用されているという事実は、サイドFIRE生活の最強の守りになります。
資産7000万円でのサイドFIRE後の取り崩しはどう進める?
「資産を売る」という行為は、せっかく貯めたお金が減っていくようで、心理的な抵抗が大きいものです。
しかし、7000万円という資産を眠らせておくだけではもったいありません。
理論に基づいた「減りにくい取り崩し方」を知ることで、不安を自信に変えていきましょう。
4%ルールに沿った定率取り崩しの進め方
サイドFIRE界隈で有名な「4%ルール」とは、資産の4%を毎年引き出しても、資産が底をつく確率が非常に低いという研究結果です。
7000万円の4%は年間280万円、月額に直すと約23万円です。
これだけの金額を運用益から出せる計算になるため、生活の大部分をカバーできます。
ポイントは、資産の「額」ではなく「率」で取り崩すことです。
株価が下がっているときは引き出す額を減らし、上がっているときは少し多めに使うことで、資産の寿命を延ばせます。
機械的にルールを決めておくことで、売却時の迷いをなくすことができます。
配当金を生活費に充てて売却の手間を省く
投資信託の取り崩しと並行して、高配当株からの配当金を生活費の足しにします。
配当金は自分の意思で売る必要がなく、勝手に銀行口座に振り込まれるため、「資産を削っている」という感覚が薄くなります。
この心理的な気楽さが、長期のリタイア生活を続ける上で非常に重要です。
例えば、年間100万円を配当金で受け取り、残り180万円を投資信託の売却で賄うといった形です。
こうすることで、株価が大暴落した際も、投資信託の売却額を一時的に抑えることができます。
二重の仕組みを持っておくことが、どんな相場環境でも生き残るコツです。
暴落時に資産を売らないための現金クッションの作り方
投資をしながら生活する上で最大の敵は、暴落時に「安い価格で売らざるを得ない」状況です。
これを防ぐために、生活費の2〜3年分(500万〜700万円程度)は、運用せずに「現金」として持っておきましょう。
これを「現金クッション」と呼び、暴落時に資産を取り崩さなくて済むための防波堤にします。
株価が30%、50%と下がったときは、投資資産には一切触れず、この現金から生活費を出します。
相場が回復するまでの1〜2年を現金でしのげれば、資産を安値で手放す悲劇を避けられます。
7000万円のうち、1割程度を現金で持っておくことが、サイドFIREを破綻させないための知恵です。
サイドFIREでいくら稼げば7000万円で足りる?
資産7000万円があっても、完全に働かない「フルFIRE」には少し不安が残るかもしれません。
そこで「サイドFIRE」の出番です。
少しだけ働くことで、資産の減少を防ぎ、社会との繋がりも保つことができます。具体的にどの程度の収入があれば安心なのか、現実的なラインを考えましょう。
月10万円の労働収入がもたらす心のゆとり
月10万円、年間120万円を仕事で稼ぐことができれば、サイドFIREの安定感は飛躍的に高まります。
資産7000万円からの運用益(4%で280万円)と合わせれば、年間400万円の予算が確保できます。
これだけあれば、独身ならかなり贅沢な、家族持ちでも十分に暮らしていける金額です。
また、働いて収入があるということは、「最悪、投資がダメになっても生きていける」という自信に繋がります。
月10万円なら、週に2〜3日のアルバイトや、得意なことでのフリーランス活動で十分に達成可能です。
この「少しだけ稼ぐ力」が、資産7000万円を最強の盾に変えてくれます。
社会保険料を安く抑える働き方の選択肢
日本でサイドFIREをするメリットの1つに、働き方を調整することで税金や保険料をコントロールできる点があります。
例えば、パートやアルバイトで社会保険に加入すれば、自分で国民健康保険や国民年金を払うより安くなる場合があります。
また、収入を一定以下に抑えることで「住民税非課税世帯」になり、様々な恩恵を受けられる可能性もあります。
投資の利益は分離課税(またはNISAで非課税)なので、働いて得る給与所得をうまくコントロールするのがポイントです。
賢く立ち回ることで、手元に残るお金を最大化できます。
ただ稼ぐだけでなく、日本の制度を味方につける視点を持ちましょう。
趣味を仕事に繋げるための準備と期間
サイドFIREの醍醐味は、嫌な仕事を辞めて「やりたいこと」で少し稼ぐ生活です。
リタイアする前の準備期間に、自分の趣味や特技が少しでもお金になるかテストしておきましょう。
ブログ、動画編集、ハンドメイド、プログラミングなど、今の時代、個人で稼ぐ手段はたくさんあります。
最初は月1万円でも構いません。自分の力で稼ぐ経験をしておくと、リタイア後の不安が解消されます。
仕事が「義務」ではなく「遊びの延長」になれば、サイドFIREの幸福度は一気に跳ね上がります。
7000万円という資産があるからこそ、失敗を恐れずに新しい挑戦ができるのです。
資産7000万円を守り抜くために注意すること
最後にお伝えしたいのは、一度手に入れた資産を守るための守備力です。
7000万円は大きな金額ですが、油断するとインフレや予期せぬ出費で目減りしてしまうこともあります。
長く、穏やかなリタイア生活を続けるために、心に留めておくべき3つのリスク対策を確認しましょう。
インフレによって現金の価値が下がるリスクへの対策
インフレとは、物価が上がり、お金の価値が相対的に下がることです。
もし全ての資産を現金だけで持っていたら、10年後、20年後に同じ100円で買えるものが少なくなってしまいます。
しかし、株式(投資信託や高配当株)を持っていれば、物価上昇に合わせて資産価値も上がる傾向があるため、対策になります。
資産7000万円のうち、現金の比率を高くしすぎないことが重要です。
「現金は減らないから安心」と思いがちですが、インフレ下では「目に見えない形で減っている」のと同じです。
適切に運用し続けることが、実質的な資産価値を守る唯一の方法です。
介護や住居費などの急な出費に備える予備費
人生には、予測できない大きな出費がつきものです。
自分や親の介護、家のリフォーム、突然の病気など、数十万〜数百万単位のお金が必要になる場面があります。
これらの出費を全て「運用の取り崩し」で賄おうとすると、計画が狂ってしまうことがあります。
こうした「万が一」のためのお金は、4%ルールの運用資産とは別枠で考えておくと安心です。
7000万円のうち、運用に回すのは6000万円程度にし、残りの1000万円は「予備費」としてキープしておくといった具合です。
心の余裕が、長期的な投資の継続を支えてくれます。
特定の銘柄や国だけに集中投資しないルール
資産が大きくなると、一つの失敗が致命傷になりかねません。
例えば、特定の1社の株に資産の半分を投資していて、その会社に不祥事があったらサイドFIRE生活は終わってしまいます。
どれほど魅力的に見える銘柄でも、資産の数%以内に抑えるといった「分散のルール」を徹底しましょう。
全世界株式(オルカン)をメインにするのも、この分散を自動で行うためです。
また、日本だけでなくアメリカ、ヨーロッパ、新興国など、投資先を世界中に散らしておくことが大切です。
「卵を一つのカゴに盛るな」という投資の格言を、資産7000万円という大金だからこそ、常に意識してください。
まとめ:資産7000万円で理想のサイドFIREを実現する
資産7000万円は、投資信託と高配当株を賢く組み合わせれば、十分にサイドFIREを継続できる素晴らしい金額です。
増やすための「オルカン」と、使うための「高配当株」のハイブリッド戦略で、不安のない自由な生活を手に入れましょう。
最後に、この記事で大切だったポイントを振り返ります。
- 投資信託7割・高配当株3割の比率をベースに、自分の生活費に合わせて調整する
- eMAXIS Slim 全世界株式などの低コストな投資信託で資産の土台を作る
- VYMや日本の優良株を組み合わせ、税金のかからない新NISAをフル活用する
- 4%ルールを目安に取り崩しつつ、暴落に備えた現金クッションを確保する
- 月10万円程度の労働収入を持つことで、資産の減少を防ぎ、生活の質を上げる
- インフレや集中投資のリスクを避け、長期的な視点で資産を守り抜く
サイドFIREは、ゴールではなく「新しい人生のスタート」です。
お金の不安を仕組みで解決して、あなたが本当にやりたかったことに時間を使える日々を、一日も早く手に入れてください。
