「毎月、決まったようにお金が振り込まれたらいいな」と夢見たことはありませんか。投資信託や株の世界には、そんな願いを叶えてくれる銘柄があります。その代表格が、アメリカの優先株式に投資するPFF(iシェアーズ 優先株式&インカム証券 ETF)です。
高い利回りが魅力的な一方で、実は金利の動きにとても敏感というクセがあります。この記事では、PFFがあなたにとって本当に「買い」なのか、その中身と注意点を分かりやすくお伝えします。最後まで読めば、自信を持って投資の判断ができるようになります。
優先株式ETFのPFFは今「買い」なのか?投資のプロが考える結論
「とにかく利回りが高いから」という理由だけでPFFに飛びつくのは、少しだけ待ってください。PFFは、毎月コツコツとお小遣いを受け取りたい人にとっては、これ以上ないほど頼もしい相棒になります。一方で、株価が何倍にもなるような成長を期待する銘柄ではありません。
今のあなたの目的が「日々の暮らしを潤す現金」なのか、「将来に向けた資産の爆発的な成長」なのかによって、答えは180度変わります。まずはPFFという銘柄が、あなたの投資スタイルに合っているかを確認してみましょう。
毎月お小遣いが欲しい人には最高の選択肢
PFFの最大の魅力は、なんといっても年12回、毎月分配金がもらえることです。配当利回りも6%から7%程度と、一般的な米国株のETFに比べて頭一つ抜けた高さがあります。
働かなくても定期的にお金が入ってくる仕組みは、精神的なゆとりを与えてくれます。毎月の支払いに充てたり、自分へのちょっとしたご褒美に使ったりしたい人には、PFFはまさに「買い」と言える銘柄です。
値上がり益を狙うなら別の銘柄が向く
PFFの株価は、一度決まった価格付近で安定して動く性質があります。これは、投資対象である優先株に「あらかじめ決められた価格で買い戻される」というルールがあるためです。
そのため、アップルやエヌビディアのような急成長を期待して買うと、がっかりすることになります。資産を2倍、3倍に増やしたいのであれば、PFFではなくS&P500に連動するETFなどを選ぶのが賢い選択です。
資産の一部を「守りの配当」に回したいタイミング
景気の先行きが怪しくなってきたとき、PFFのような高配当銘柄はポートフォリオの守り神になります。株価が多少下がっても、高い配当金がクッションの役割を果たしてくれるからです。
- 他の株が暴落しても配当は維持されやすい
- 毎月の入金が再投資の原資になる
- 投資のモチベーションを維持しやすい
資産のすべてを突っ込むのではなく、全体の10%程度を「安定した現金製造機」として持っておくには、今のタイミングは悪くありません。
PFFが高い利回りを維持できる仕組みと優先株の正体
「優先株って、普通の株と何が違うの?」という疑問は当然です。優先株とは、一言で言えば「株と債券の中間」のような存在です。会社が倒産したときや、配当を出すときに、普通の株主よりも「優先」して扱われる特別な株のことを指します。
その代わりに、経営に参加する権利(議決権)がなかったり、株価が上がりにくかったりといった制限があります。この「権利を譲る代わりに高いお金をもらう」という仕組みが、PFFの高い利回りを支えているのです。
株と債券の「いいとこ取り」を目指した証券の形
優先株は、株式のように市場で売り買いできますが、性質は債券(借金)に似ています。あらかじめ決まった配当金を、決められた時期に受け取れる契約になっているからです。
株式のような値上がりも少しだけ期待できつつ、債券のような安定感も持っています。このハイブリッドな性格こそが、リスクを抑えながら高いインカムを得たい投資家に好まれる理由です。
配当が普通株よりも先に支払われる安心感
もし会社が不景気で「配当を減らそう」と考えたとき、真っ先に削られるのは普通株の配当です。優先株は名前の通り、普通株よりも先に配当を受け取る権利があります。
この優先権があるおかげで、よほどのことがない限り配当がストップすることはありません。「何があっても配当だけはしっかり受け取りたい」というニーズに、優先株は真っ向から応えてくれます。
議決権がない代わりに高い配当金をもらえる裏側
普通の株主は、会社の会議で「こうしてほしい」と一票を投じることができますが、優先株主にはその権利がありません。経営には口出しできない契約になっているのです。
- 経営権はいらないからお金がほしい人向け
- その分、利回りが上乗せされている
- 企業の乗っ取りを恐れる会社側にもメリットがある
私たちは「経営に参加したい」わけではなく「お金を増やしたい」だけなので、この議決権がないという条件は、むしろ高い配当を得るためのラッキーな交換条件と言えます。
金利上昇に伴うリスクがPFFの株価を押し下げる理由
PFFにとって最大の天敵は、アメリカの金利上昇です。優先株は「もらえる配当金の額」が固定されていることが多いため、世の中の金利が上がると、その価値が相対的に下がってしまうのです。
例えば、銀行の預金金利が5%に上がったとしたら、わざわざリスクを取って6%のPFFを持とうとする人は減りますよね。これが、金利が上がるとPFFの株価が下がるシンプルなカラクリです。金利とPFFの関係をしっかり理解しておきましょう。
世の中の金利が上がると固定配当の魅力が薄れる
PFFから出る配当金は、ある程度決まっています。一方で、世の中の金利がどんどん上がっていくと、もっと安全な「国債」などの利回りと差がなくなってしまいます。
そうなると、投資家は「リスクのある優先株を売って、安全な国債を買おう」と動きます。この売り注文が重なることで、PFFの株価は押し下げられてしまうというわけです。
債券に似た値動きをするため金利にはめっぽう弱い
普通の株は、景気が良くなれば金利が上がっても株価が上がることがあります。しかし、PFFの中身は「固定金利の債券」に近い動きをするため、金利上昇には抵抗できません。
株だと思って持っていると、金利が上がった時に予想外の大きな含み損を抱えることになります。PFFに投資するなら、株価の動きを見るだけでなく、アメリカの金利の動きを常に意識する必要があります。
10年国債利回りのグラフをセットで見るべき理由
PFFの買い時を判断するとき、最も参考になるのが「アメリカの10年国債利回り」です。この数字がピークを打って下がり始めるとき、PFFの株価は上がりやすくなります。
- 国債利回りが上がるとPFFは下がる
- 国債利回りが下がるとPFFは上がる
- シーソーのような関係を覚えておく
スマホのアプリで「アメリカ 10年債」と検索し、そのグラフとPFFのチャートを並べて見てください。面白いほど逆の動きをしていることに気づくはずです。
PFFを構成する銘柄の約70%が金融機関という偏り
PFFに投資するということは、実は「アメリカの金融業界」に投資しているのとほぼ同じです。このETFの中身を見ると、ウェルズ・ファーゴやJPモルガン・チェースといった大手銀行の名前がずらりと並んでいます。
これは、優先株という証券をたくさん発行しているのが主に金融機関だからです。特定の業界に中身が偏っていることは、メリットでもあり、いざという時のリスクにもなります。その特徴を冷静に分析してみましょう。
ウェルズ・ファーゴやバンク・オブ・アメリカが主役
PFFの組み入れ銘柄の上位は、アメリカを代表するメガバンクで占められています。これらの銀行は非常に厳しい規制の下で運営されており、信頼性は折り紙付きです。
倒産するリスクは極めて低いと言えますが、裏を返せば、彼らの業績が悪くなるとPFFも共倒れになります。「銀行にお金を貸している」くらいの気持ちで、業界のニュースを追いかけるのが正解です。
金融危機が起きたときに真っ先に売られる怖さ
2008年のリーマンショックのような、金融業界全体がパニックになる時期、PFFは凄まじい暴落を経験しました。みんなが「銀行は危ない」と思って一斉に売りに出したからです。
普段はマイルドな値動きのPFFですが、金融不安の火種が出たときは例外です。「金融セクターに集中している」という事実は、平時には気になりませんが、危機の際には最大の弱点になることを忘れてはいけません。
大手銀行の格付けをチェックしておくべき必要性
PFFが安全かどうかを知るためには、中に入っている銀行がどれくらい信頼されているかを確認するのが一番です。格付け機関が発表するランクをチェックしてみましょう。
- S&Pやムーディーズの格付けを見る
- 「投資適格」と呼ばれる高いランクの銘柄が多いか確認
- 定期的に中身の入れ替えが行われているかチェック
PFFを運営するブラックロックは、常に信頼できる銘柄を選んで入れ替えています。自分で個別の銀行を調べるのが大変な人でも、ETFならプロの管理に任せられるので安心です。
毎月分配型のPFFを保有するなら経費率も忘れずに
PFFは、ブラックロック社が提供する「iシェアーズ」シリーズの一つです。私たちは運用を任せる代わりに、毎年決まった手数料(経費率)を支払っています。PFFの経費率は年率0.45%となっており、一般的なインデックスファンドに比べると少し高めの設定です。
しかし、毎月分配という手間のかかる運用をしてくれていることを考えれば、納得できる範囲かもしれません。コストとサービス、そしてもらえるお金のバランスを数字で見てみましょう。
① 解説テキスト:
PFFの最大の売りは、なんといっても「毎月入金される」という体験です。年率0.45%という手数料は、100万円投資したときに年間で4,500円ほどかかる計算になります。これを「高い」と感じる人もいるかもしれませんが、自分で何百もの優先株を買い集め、毎月の配当を管理する手間を考えれば、非常に効率的なコストと言えます。
入ってきた配当金をそのまま生活費に使うのもいいですし、さらにPFFを買い足して「配当が配当を生む」状態を作るのも自由です。毎月のキャッシュフローが目に見えて増えていく楽しさは、投資のモチベーションを最高に高めてくれます。
② 詳細情報テーブル:
| 項目 | 内容 | 他のETFとの違い |
| 運用会社 | ブラックロック (BlackRock) | 世界最大の会社で安心感が抜群 |
| 経費率 | 年率 0.45% | VOO(0.03%)より高いが手間代込み |
| 配当利回り | 約 6.0% 〜 7.0% | 普通の株より圧倒的に高い水準 |
| 配当の頻度 | 毎月 (年 12回) | 毎月お小遣いが入る特別な仕組み |
| 主な業種 | 金融 (銀行など) が約7割 | セクターに偏りがある点に注意 |
③ 誘導・比較:
「とにかくコストを1円でも安くしたい」という完璧主義な人には、0.45%という数字は少し重く感じるかもしれません。しかし、これだけの高い利回りを毎月運んでくれる銘柄は他にそうありません。他の高配当ETFと組み合わせて、ポートフォリオの平均コストを下げつつ、PFFで「毎月の楽しみ」を確保するのが一番バランスのいい持ち方です。
毎年0.45%の手数料は高い?安い?
投資の世界では、0.1%以下の手数料が当たり前になりつつあります。その中で0.45%という数字は、決して最安値ではありません。
しかし、優先株という特殊な市場を個人で攻略するのはほぼ不可能です。プロの目利きと、毎月の入金システムを月数百円で買っていると考えれば、十分にお釣りが来る安さだと私は思います。
12回に分けて入金されるキャッシュフローの楽しさ
年4回の配当だと、次の入金まで3ヶ月も待たなければなりません。PFFなら、毎月のように証券口座の残高が増えていく「成功体験」を味わえます。
- 1月も2月も、毎月お金が届く
- 自分の頑張りが数字で見えやすい
- 再投資の効率が上がる
この「毎月の楽しみ」こそが、投資を途中で投げ出さずに続けられる一番の秘訣になります。小さな成功を積み重ねることが、大きな資産形成への近道です。
再投資をするか生活費にするかでリターンが変わる
毎月入ってくる分配金をどう使うかは、あなた次第です。今すぐ豊かな生活を送りたいなら生活費に、将来もっと増やしたいなら再投資に回しましょう。
入ってきたお金でさらにPFFを買えば、翌月の配当はさらに増えます。この雪だるま式に増えていく感覚を、毎月味わえるのがPFFの醍醐味です。自分なりの「配当金の使い道」を想像するだけで、投資がもっと楽しくなります。
優先株式ETFのPFFで損をしないための買い方と手順
「よし、PFFを買ってみよう」と思っても、一度に全額を投じるのはおすすめしません。PFFは金利の動きに敏感なため、買うタイミングによっては、直後に株価が下がってガッカリすることもあるからです。長く、安心して持ち続けるための「賢い買い方」のステップを解説します。
一気に買わずに時間を分けて少しずつ積み立てる
どんなに良い銘柄でも、株価には波があります。特に今は金利の先行きが見えにくい時期なので、数回に分けて買うのが一番の安全策です。
今月は10万円、来月も10万円というように時期をずらして買うことで、価格が高いときに買いすぎるミスを防げます。「ドルコスト平均法」を使って、平均的な価格で揃えていくのが、長期投資で大負けしないための鉄則です。
NISAの成長投資枠を使って税金をゼロにする方法
日本に住んでいる私たちにとって、最大の味方はNISAです。PFFから出る高い配当金には、通常約20%の税金がかかりますが、NISAを使えばこれが丸ごと非課税になります。
- 配当金がそのまま手元に残る
- 手数料以上の節税メリットがある
- 確定申告の手間も省ける
成長投資枠をPFFに割り当てることで、利回りの高さをフルに活かすことができます。自分のお金を守るために、国が用意してくれた制度はトコトン使い倒しましょう。
円安・ドル高の影響も計算に入れておく
PFFはアメリカの株なので、買うときも売るときも「ドル」が関係してきます。株価が変わらなくても、円安が進めば私たちの資産は円ベースで増えますし、円高になれば減ってしまいます。
今の為替水準が自分にとって有利かどうか、少しだけ立ち止まって考えてみましょう。分配金をドルで受け取り、そのままドルのまま再投資すれば、為替の変動を気にせず運用を続けることもできます。
他の高配当ETF(VYMやHDV)と比較したPFFの魅力
高配当投資を調べていると、必ずVYM(バンガード・米国高配当株式ETF)やHDV(iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF)といった有名どころに出会います。これらの株式型ETFと、優先株に特化したPFFは何が違うのでしょうか。それぞれの個性を理解して、適材適所で使い分けることが大切です。
株式ETFよりも価格の変動幅がマイルドという特徴
VYMなどは普通の株を集めているため、景気が良ければ株価も大きく上がりますが、悪ければ激しく下がります。PFFは、最初にお伝えした通り、債券に近いので値動きが比較的おだやかです。
「資産の数字が激しく動くのを見るのが辛い」という人にとって、PFFの安定感は救いになります。株の怖さを配当の安定感で中和してくれるような、そんな役割をポートフォリオの中で果たしてくれます。
圧倒的な利回りの高さで勝負するならPFF
VYMの利回りが3%前後、HDVが4%前後なのに対し、PFFは6%〜7%を狙えます。とにかく「今すぐもらえるお金」の多さでは、PFFの独壇場です。
- VYM:株価の値上がりも期待できる
- HDV:財務が強い株で構成されている
- PFF:とにかく高い利回りを毎月出す
将来の成長を夢見るならVYM、今の生活を楽にしたいならPFF、というふうに、目的を分けて考えるのがコツです。
業種が分散されているかどうかで使い分ける
VYMやHDVは、石油、通信、日用品など、さまざまな業種の株に分散されています。一方でPFFは、その7割が金融業界です。
もしあなたがすでに銀行株をたくさん持っているなら、PFFを足すのは「金融への偏り」を強めることになります。自分の持ち物全体を見渡して、特定の業種に偏りすぎていないかを確認しながら、PFFをスパイスのように加えるのが一番バランスのいいやり方です。
まとめ:優先株式ETFのPFFをポートフォリオに入れるメリット
今回の検証を通して、PFFがどのような銘柄か、その輪郭がハッキリと見えてきたはずです。毎月の入金という大きな喜びがある一方で、金利や業界の偏りといった注意点も併せ持っています。最後に、この記事でお伝えした重要なポイントを振り返りましょう。
- 毎月分配(年12回)で、着実な現金収入が得られるのが最大の魅力。
- 利回りは6%〜7%前後と非常に高く、日々の暮らしを潤す力がある。
- アメリカの金利が上がると株価が下がりやすいため、金利の動向には注意。
- 投資対象の約7割が金融機関であり、特定の業界のリスクを抱えている。
- 経費率は0.45%。手間のかかる運用を代行してもらうコストとして納得できるか。
- NISAの成長投資枠を使い、配当にかかる税金をゼロにするのが賢い運用法。
- 値上がり益ではなく、安定した配当(インカム)を目的として割り切って持つ。
毎月入ってくる配当金は、ただの数字以上の安心感を私たちに与えてくれます。まずは自分の資産の数%から、お試しの気持ちでPFFを持ってみてはいかがでしょうか。口座に初めて分配金が振り込まれた時の喜びは、何物にも代えがたい投資の第一歩になるはずです。
