株が暴落した時に自分のお金が半分になるのは怖いですよね。そんな時にクッションになってくれるのが、アメリカの債券を集めたBNDとAGGです。どちらも非常に人気ですが、実際の中身やもらえるお金にどれくらい差があるのか気になるところ。まずは、誰もが一番知りたい「利回り」の差からスッキリさせていきましょう。
BNDとAGGを比較してわかった「誤差」レベルの利回りの差
投資をする上で一番気になるのは、やっぱり「どっちが儲かるの?」という点ですよね。BNDとAGGの利回りを並べてみると、実は驚くほど似通った数字になります。片方が特別に有利ということはなく、どちらを選んでも受け取れるお金に大きな違いは出ません。
過去の運用成績にほとんど違いがない理由
米国総合債券ETFであるBNDとAGGの過去の成績を比べると、面白いほどそっくりな動きをしています。これは、どちらの銘柄もアメリカの優良な債券を同じようなルールで集めているからです。
片方が10%上がっている時に、もう片方が大損をしているといったことはまず起こりません。どちらを選んでも、資産を守る力に大きな差はないと言い切れます。
毎月もらえる分配金はどちらも同じリズム
BNDとAGGは、どちらも毎月分配金が支払われる仕組みになっています。毎月お小遣いが入ってくるような感覚で投資を楽しめるのが、この2つの銘柄の大きな魅力です。
2026年1月現在の利回りは、どちらも4.2%から4.5%ほどで推移しています。毎月の入金額に数円程度の細かな差はあっても、年間の合計で見ればほぼ同じ金額を受け取れます。
長期で持ち続けたときの手元に残るお金
10年、20年と長く持った場合でも、この2つの銘柄の差が開くことはほとんどありません。どちらも1,100億ドルを超える巨大な資産を運用しており、効率よく運営されているからです。
手数料も同じなので、運用会社への支払いで差がつくこともありません。「どっちの方が得か」と悩む時間は、正直なところもったいないと言えるほど似た者同士です。
米国総合債券ETFが「守りの資産」として安定性が高い理由
投資の世界では、株が「攻め」なら債券は「守り」と言われます。BNDやAGGがなぜ守りに強いのか、それは中身の信頼性がずば抜けて高いからです。アメリカの国や超一流企業にお金を貸しているのと同じ状態なので、簡単には崩れない強さがあります。
資産の7割が最高ランクの格付けという安心感
BNDとAGGの中身を見ると、全体の約70%が「AAA(トリプルエー)」という最高ランクの格付けです。これは、貸したお金が返ってこないリスクが極めて低いことを意味しています。
世界で最も信頼されているアメリカ政府が発行する債券が中心です。万が一世界中の景気が悪くなっても、この格付けの高さがあなたの大切なお金を守る盾になります。
株が暴落したときにクッションの役割を果たす仕組み
株価が急落するような場面では、多くの投資家が「安全な場所」を求めて債券にお金を移します。その結果、株が下がっている時に債券の価値が上がったり、横ばいで耐えたりすることがよくあります。
資産の全部を株にするのではなく、こうした債券ETFを混ぜておきましょう。株価の下落によるショックを和らげ、心穏やかに投資を続けられるようになります。
投資に値すると認められた優良な債券だけで構成
この2つのETFは、格付けが「BBB」以上の投資適格債と呼ばれる債券しか入れていません。ボロボロの経営をしている怪しい会社にお金を貸すようなことは、ルール上できないようになっています。
- アメリカ政府が発行する国債
- 政府機関が保証する住宅ローン債券
- 一流企業が発行する格付けの高い社債
これらの一流の貸し先だけを集めているからこそ、私たちは安心して枕を高くして寝られるのです。
BNDとAGGのどちらを選んでも信託報酬は0.03%
投資のコストは、安ければ安いほどいいですよね。BNDとAGGは、どちらも信託報酬(管理費用)が年率0.03%という、世界でも最低水準の安さを実現しています。ここでは、それぞれの銘柄の特徴を詳しく見てみましょう。
バンガード・米国総合債券市場ETF(BND)
BNDは、低コストで有名なバンガード社が運営している世界最大級の債券ETFです。アメリカ全体の債券市場を丸ごと1本でカバーできる、非常にシンプルな中身になっています。
| 項目 | 詳細内容 | 他との違い |
| 信託報酬 | 0.03% | 業界最低水準の圧倒的な安さ |
| 純資産総額 | 約1,100億ドル | 世界中の投資家から信頼される規模 |
| 銘柄数 | 約1万銘柄以上 | 幅広く分散してリスクを抑えている |
| 運用会社 | バンガード | 投資家への利益還元を重視する会社 |
競合のAGGと比べると、市場に出回っている債券をより広く、薄く集めているのが特徴です。バンガード社というブランドが好きなら、こちらを選んでおけば間違いありません。
iシェアーズ・コア 米国総合債券市場ETF(AGG)
AGGは、世界最大の運用会社であるブラックロック社が提供している銘柄です。BNDよりも運用の歴史が数年長く、多くの暴落を乗り越えてきた実績があります。
| 項目 | 詳細内容 | 他との違い |
| 信託報酬 | 0.03% | 100万円預けても年間300円の安さ |
| 純資産総額 | 約1,100億ドル | 抜群の流動性ですぐに売買できる |
| 銘柄数 | 約1万銘柄 | 米国債と社債をバランスよく保有 |
| 運用会社 | ブラックロック | 圧倒的な資金力を持つ世界1位の会社 |
BNDと比較すると、採用している指数の違いから、住宅ローン関連の債券がわずかに多めに入る傾向があります。実績のあるブラックロック社を信頼するなら、こちらが有力な候補になります。
中身を徹底比較!BNDとAGGで債券の組み合わせ方はどう違う?
「ほとんど同じ」と言われるBNDとAGGですが、顕微鏡で覗くように中身を詳しく見ると、少しだけ味付けが違います。この微かな差が、投資の好みを分けるポイントになるかもしれません。
米国債の比率が微妙に違うことによる影響
どちらも資産の約40%以上をアメリカの国債が占めています。ただ、BNDの方がAGGよりもわずかに国債の割合が高くなる時期があります。
国債が多いということは、それだけ信頼性が高まり、値動きが少しだけマイルドになることを意味します。より保守的な中身を好むのであれば、ほんの少しだけBNDの方が理想に近いかもしれません。
住宅ローン担保証券が含まれる割合の差
AGGは、アメリカの政府機関が保証している住宅ローンの債券を、BNDより多めに持っていることがよくあります。これは、採用している計算ルールの違いによるものです。
住宅ローン債券は、国債よりも少しだけ利回りが高くなるという特徴があります。この微差が積み重なることで、時期によってはAGGの方がわずかに利回りで勝ることもあります。
会社が発行する社債の組み入れ銘柄の数
どちらのETFも1万銘柄近い債券を持っていますが、BNDの方がより多くの種類の社債を細かく持っていることが多いです。分散の徹底ぶりでは、バンガード社のBNDに軍配が上がります。
- どちらも1万銘柄前後に分散されている
- 1社が倒産しても全体への影響は0.01%以下
- 債券の種類(国債、住宅ローン、社債)の割合が少し違うだけ
正直なところ、この差を感じ取れる投資家は世界中を見てもほとんどいません。
投資する前に知っておきたい利回りの変動と金利の関係
債券投資をするなら、絶対に避けて通れないのが「金利」の話です。債券の価格は、世の中の金利とシーソーのような関係にあります。この仕組みを理解しておかないと、思わぬ損に驚くことになります。
アメリカの金利が上がると債券価格が下がる仕組み
アメリカの中央銀行が「金利を上げます」と発表すると、BNDやAGGの価格は下がります。新しく出る高い金利の債券に人気が集まり、今持っている古い債券が売られてしまうからです。
価格は下がりますが、その分だけ利回りは上がっていきます。価格が下がった時は「将来もらえる利子が増えるチャンス」だと前向きに捉えることが大切です。
逆に金利が下がったときに利益が乗るタイミング
世の中の金利が下がると、今持っている債券の価値が上がり、BNDやAGGの価格は上昇します。すでに高い利子が決まっている古い債券は、喉から手が出るほど欲しがられるからです。
景気が悪くなって株が暴落する時は、国が金利を下げる傾向があります。株で大損している時に債券の価格が上がるのは、まさにこの「金利の低下」が味方をしてくれるからです。
利回り4%台を維持できるかどうかの判断基準
2026年現在の利回りは4%を超えており、歴史的に見てもかなり高い水準にあります。これが維持されるかどうかは、アメリカの物価の上がり方にかかっています。
物価が落ち着けば金利も下がっていきますが、それでも過去のような0%台に戻る可能性は低いと言われています。債券価格が大きく下がった今は、4%前後の高い利子を受け取れる絶好のタイミングだと言えます。
新NISAで米国総合債券ETFを運用する際の手順
2024年から始まった新NISAでも、BNDやAGGを購入することができます。ただし「成長投資枠」を使う必要があり、つみたて投資枠では買えない点に注意しましょう。具体的な手順をわかりやすく説明しますね。
成長投資枠を使ってドル建てで注文する方法
まずは証券会社のマイページから、米国株・ETFの注文画面を開きます。銘柄コードに「BND」または「AGG」と入力すればすぐに出てきます。
購入する際は、必ず「成長投資枠」を選択してください。特定口座で買ってしまうと税金がかかりますが、NISA枠なら日本国内の税金約20%を完全にゼロにできます。
日本円から米ドルに両替する際の手数料を抑えるコツ
米国ETFを買うには「米ドル」が必要です。日本円をそのまま使って買う「円貨決済」は便利ですが、手数料が少し高くなることがあります。
SBI証券や楽天証券など、主要なネット証券では為替手数料を無料にしている時期があります。1,000ドルなどのまとまった金額を注文する際は、事前に手数料の低いルートでドルを用意しておくとお得です。
分配金にかかる二重課税をどう捉えるべきか
債券の分配金をもらう際、まずアメリカで10%の税金が引かれます。新NISAであっても、このアメリカの税金10%だけはどうしても引かれてしまいます。
それでも日本の20%が無料になるメリットは非常に大きいです。「10%は場所代」だと割り切っても、日本の銀行に預けるより遥かに効率よくお金を増やせます。
安定性を重視してBNDかAGGかを選ぶときの判断軸
「結局どっちがいいの?」と聞かれたら、私はこう答えます。どちらを選んでも正解ですが、最後の決め手は「直感」や「使い勝手」で決めてしまって大丈夫です。
バンガードとブラックロックのどちらを応援するか
投資家の味方として知られるバンガード社の理念が好きならBND。世界最大のシェアを持つブラックロック社の安心感が好きならAGG。
ブランドイメージで選ぶのは、投資では決して間違いではありません。自分が信じられる会社にお金を預けることで、暴落したときにも「あの会社なら大丈夫」と信じて持ち続けられるからです。
自分が使っている証券会社で買いやすい銘柄はどっち?
証券会社によっては、特定のETFの買付手数料を無料に設定していることがあります。自分がメインで使っている口座で、どちらが優遇されているか確認してみましょう。
- SBI証券や楽天証券なら、どちらも買付手数料が無料のことが多い
- ポイント還元の対象になっているかチェックする
- 自分が持っている他の銘柄とシリーズを揃えて管理しやすくする
少しでも余計なお金を払わなくて済む方を選ぶ、というのが最も合理的な判断です。
純資産の増え方から見る将来の安心感の比べ方
BNDもAGGも、純資産総額は1,100億ドルを超えており、どちらかが消えてなくなる心配はまずありません。どちらも世界中の年金基金や機関投資家が使っている超一流の銘柄です。
もし片方が著しく資産を減らしているなら考えものですが、今のところその気配はありません。「どちらを選んでも世界最高峰の守りを得られる」という事実に自信を持って、投資の第一歩を踏み出しましょう。
まとめ:BNDとAGGで揺るがない資産の土台を作ろう
BNDとAGGを徹底的に比較してきましたが、その差は「どっちが優れているか」というより「どっちが好みか」というレベルの話でした。大切なのは、どちらかを選んで自分の資産に「守り」を加えることです。
- コストはどちらも年率0.03%と世界最低水準に安い
- 毎月分配金がもらえ、今の利回りは4%台と非常に魅力的
- 資産の7割がAAA格付けで、圧倒的な安定感がある
- アメリカの金利が下がれば、将来的に価格が上がるチャンスもある
- 新NISAの成長投資枠を使って、日本国内の税金をゼロにできる
- どちらを選んでも間違いではないので、迷いすぎず一歩踏み出す
株だけの運用でハラハラする日々は、もう終わりにしましょう。BNDやAGGをポートフォリオに組み入れることで、夜ぐっすり眠れるような、穏やかな投資ライフを手に入れてくださいね。
