iDeCoのスイッチングはいつ行う?出口に向けた資産構成の切り替え手順を紹介

iDeCoで積み立てたお金を、いざ受け取ろうと思ったときに「暴落して減っていた」なんて事態は避けたいですよね。そこで大切になるのが、資産を安全な場所へ移し替える「スイッチング」という作業です。この記事では、損をしないためのタイミングや具体的な操作をわかりやすくお伝えします。最後まで読めば、あなたの老後資金をしっかり守る準備が整いますよ。

目次

iDeCoのスイッチングをいつ行うべきか決めるタイミングの目安

スイッチングをいつやればいいか迷う人は多いですが、基本的には「利益が出たとき」や「受け取りが近づいたとき」が狙い目です。相場は常に動いているので、今の自分の資産がどうなっているかを時々チェックする癖をつけましょう。自分の目標とする金額に届いたタイミングを逃さないことが、成功の大きなポイントです。

市場の価格が上がって大きな利益が出ているとき

スイッチングとは、今持っている投資信託などを売って、そのお金で別の商品を買うことです。例えば、株価が絶好調で予想以上に資産が増えたとき、その増えた分を「利益」として確定させるために行います。

  • 利益が出ている商品を売却する
  • 売ったお金で定期預金などの安全な商品を買う
  • 運用で増えた分を確実に自分のものにする

こうすることで、その後に市場が下がっても、利益を確定させた分のお金は減りません。「もっと上がるかも」と欲張らず、一定の利益が出たら安全な場所へ移す決断が大切です。

60歳からの受け取り時期が5年以内に迫ったとき

iDeCoは60歳から75歳までの間に受け取り始めますが、その直前に大暴落が起きると大変です。積み上げてきた資産が受け取り直前でガクンと減るのを防ぐため、55歳を過ぎたあたりから準備を始めましょう。

  • 株式などの値動きが激しい商品を少しずつ売る
  • 売った資金を元本確保型の商品に振り返る
  • 受け取り時に資産が安定している状態を作る

一気に全部動かす必要はありません。5年から10年かけて、ゆっくりとリスクを減らしていくのが最も賢いやり方です。

設定していた資産配分のバランスが大きく崩れたとき

最初に「株5割、債券5割」と決めていても、株が値上がりすると「株7割、債券3割」のようにバランスが崩れます。これを元の比率に戻す作業(リバランス)もスイッチングで行います。

  • 増えすぎた資産を売却する
  • 減ってしまった資産を買い増す
  • リスクの大きさを最初に決めた範囲に収める

放っておくと、いつの間にかリスクを取りすぎている状態になりかねません。年に1回は中身を見直して、元のバランスに戻してあげましょう。

出口に向けた資産構成の切り替えが老後資金を守るために必要な理由

なぜわざわざ手間をかけてスイッチングをするのか、それは「老後のお金は使うためのもの」だからです。増やす時期が終わったら、次はいかに減らさずにキープするかが重要になります。せっかく20年も30年も頑張って積み立てた努力を、最後の数年で台無しにしないための防衛策なのです。

受け取り直前の株価暴落による資産の急減を防ぐ

投資の世界では、数年に一度は大きな暴落が起こります。リーマンショックのような出来事が受け取りの1ヶ月前に来たら、目も当てられません。老後資金として使う予定のお金が半分になってしまったら、生活設計が狂ってしまいます。

  • 暴落が来ても影響を受けない資産に変えておく
  • 精神的な不安を取り除く
  • 確実に手に入る金額を確定させる

スイッチングをしておけば、ニュースで「株価暴落」と流れても落ち着いていられます。「守りの資産」へ移すことは、心の平穏を守ることにも繋がります。

長年の運用で増えた「含み益」を確実に現金化する

投資信託の画面で見ている「利益」は、あくまで計算上の数字です。売却の手続きをして初めて、あなたのお金として確定します。これを放置していると、明日にはその利益が消えてしまうかもしれません。

  • 「含み益」を「確定した利益」に変える
  • 非課税メリットを最大限に活かす
  • 投資の成果を実感できるようにする

iDeCoはスイッチングの際にかかる税金がゼロなので、何度でも利益確定ができます。こまめに利益を拾い上げていくことで、最終的な受取額を安定させられます。

安定した老後の生活費として計算できるように整える

老後の生活を考えるとき、「いくら持っているか」がはっきりしないと不安ですよね。資産の半分が激しく動く株のままだと、来月の生活費がいくらになるか予想できません。

  • 資産の評価額を固定させる
  • 毎月の取り崩し額を計画しやすくする
  • 無理のないセカンドライフの計画を立てる

現金の代わりになるような安全な商品に移しておけば、予算が立てやすくなります。「使えるお金」として計算できる状態にすることが、出口戦略のゴールです。

保有資産を別の商品へ動かすスイッチングの具体的な手順

スイッチングは、普段使っているiDeCoの専用サイトから簡単に行えます。楽天証券やSBI証券など、どの金融機関でも基本的な流れは同じです。難しい書類を郵送する必要はなく、スマホやパソコンだけで完結するので安心してください。

加入者専用サイトにログインして売却する商品を選ぶ

まずは自分のiDeCo口座にログインして、現在の資産状況を確認しましょう。そこから「スイッチング(入れ替え)」のメニューを選び、今持っている商品のうち、どれを売るかを決めます。

  • 商品を全部売るか、一部だけ売るか選ぶ
  • 売却する数量や金額を入力する
  • 売却に伴う注意書きを確認する

いきなり全部売るのが怖い場合は、10%ずつなど少しずつ売ることもできます。自分のペースで、納得のいく金額から始めてみましょう。

売ったお金で次に購入する商品と配分の金額を指定する

商品を売ったお金を、次にどの商品に割り当てるかを決めます。出口に向けたスイッチングなら、基本的には元本確保型(定期預金など)を選ぶことになります。

  • 新しく購入する商品リストから選ぶ
  • 売却代金の何%をどのアセットに回すか決める
  • 合計が100%になるように調整する

ここで商品選びを間違えると、またリスクを取ることになってしまいます。「守るためのスイッチング」なら、迷わず安定感のあるものを選んでください。

申し込み完了後に資産が入れ替わるまでの流れを確認する

申し込みボタンを押しても、すぐに資産が入れ替わるわけではありません。商品を売ってお金にし、そのお金で新しい商品を買うまでには数日のタイムラグがあります。

  • 売却の約定(成立)まで数日待つ
  • 新しい商品の買い付け完了を待つ
  • 合計で1週間から10日ほどかかることを知っておく

土日や祝日を挟むと、もう少し時間がかかる場合もあります。「すぐに変わらない」ということを知っておけば、焦らずに済みます。

出口で損をしないためにiDeCoの資産構成をいつ見直すべきか

理想的な見直しのタイミングは、定年退職が見えてくる50代です。iDeCoは長く運用するほど有利ですが、後半戦は「負けない戦い方」に切り替える必要があります。年齢に応じて資産の形を変えていくのが、プロも推奨する鉄板のルールです。

50代半ばから段階的にリスク資産の割合を減らす

55歳くらいになったら、少しずつ「株」から「預金」へ移していきましょう。一度に全部動かすと、その日がたまたま相場の底だった場合に損をしてしまいます。

  • 1年に1回、資産の10〜20%をスイッチングする
  • 株価が高い時期を狙って少しずつ売る
  • 時間を分散して売ることでリスクを抑える

こうして数年かけて中身を入れ替えていけば、大損するリスクを極限まで減らせます。「ゆっくり、少しずつ」が、スイッチングの鉄則です。

定年退職の時期に合わせて運用から「守り」にシフトする

仕事をやめるタイミングは、収入が減るタイミングでもあります。そのときにiDeCoの資産が不安定だと、精神的なダメージが大きくなります。

  • 退職金の受け取り時期と合わせる
  • 年金生活が始まる前に中身を安定させる
  • 運用のことは忘れて、受け取りに集中できる状態にする

退職してからは、資産を増やすことよりも「どう使うか」が主役になります。仕事の引退に合わせて、資産の運用も「現役」から「引退」させてあげましょう。

相場が荒れている時期を避けて計画的に進める

ニュースで「大暴落!」と騒がれているときに慌ててスイッチングをするのはおすすめしません。パニックになって売ると、一番安いところで手放すことになりかねないからです。

  • 相場が穏やかなときに淡々と進める
  • あらかじめ「この時期にやる」とカレンダーに書いておく
  • 感情に左右されず、決めたルールに従う

計画的に進めていれば、一時的な相場の変動に振り回されることはありません。自分のライフプランに合わせて、落ち着いて行動しましょう。

スイッチングによる資産構成の切り替えで選ぶべき安全な商品

スイッチングの際、移動先として選ぶべき商品は限られています。これまでの「増やすための商品」から「減らさないための商品」へ目を向けましょう。主な選択肢は、定期預金、保険、債券の3つです。

商品タイプ特徴リスクリターン
定期預金元本が100%保証される極めて低いほぼゼロ
保険商品利率が保証されている極めて低い預金よりは少し高い
債券ファンド値動きが緩やか低い預金より期待できる

銀行の定期預金で大切な資産を1円も減らさない

iDeCoの定期預金は、最もシンプルで強力な守りの手段です。金利はほとんどつきませんが、元本が削られる心配が全くありません。

  • 1円も減らしたくない資金の置き場所に最適
  • 中身がわかりやすく、管理が楽
  • どの金融機関でも必ず用意されている

利息で増やすことは期待できませんが、今ある資産を凍結保存するようなイメージです。出口を目前に控えた時期なら、これが最も安心できる選択肢になります。

利率が保証されている保険商品へ移して着実に守る

「元本確保型」の中には、生命保険会社などが提供する保険商品もあります。定期預金と同じように元本が保証されており、わずかですが利息もつきます。

  • 定期預金よりも少しだけ利率が良い場合がある
  • 途中で解約すると手数料(解約控除)がかかることがある
  • 満期まで持てば確実にプラスになる

ただし、スイッチングのタイミングによってはコストがかかることもあるので注意が必要です。選ぶ前に、ペナルティがないか条件を確認しておきましょう。

債券ファンドを活用して値動きを緩やかに抑える

「少しは増やしたいけれど、株ほどハラハラしたくない」という人は、債券ファンドが候補になります。国や企業にお金を貸す仕組みなので、株に比べて値動きが穏やかです。

  • 株式に比べて価格の変動が小さい
  • 利息収入(インカムゲイン)が期待できる
  • 預金よりは少しだけリスクがある

完全にゼロにはしたくないけれど、大損もしたくないというバランス派に向いています。資産の一部をこれにしておくだけでも、全体の安定感が増します。

手順を進める前に知っておきたい費用と非課税のルール

iDeCoのスイッチングは、一般的な投資に比べて非常に優遇されています。ただし、全くのタダというわけではないので、中身を正しく知っておきましょう。無駄な手数料を払わないことが、手元に残るお金を増やす近道です。

売却コストとして引かれる信託財産留保額の有無

投資信託を売るときに、「信託財産留保額」というコストがかかる商品があります。これは解約手数料のようなもので、売却額の0.1〜0.3%ほどが引かれます。

  • すべての商品にかかるわけではない
  • 最近の低コストファンドは「なし」が多い
  • スイッチングを繰り返すと地味に響く

自分の持っている商品の「目論見書」を見れば、このコストがあるかわかります。できるだけコストがかからない商品を選んで、効率よく資産を動かしましょう。

何度手続きを繰り返しても運用益にかかる税金はゼロ

通常、投資で利益が出た場合は約20%の税金が引かれます。100万円の利益があれば20万円も取られてしまいますが、iDeCoならこれが1円もかかりません。

  • 利益をまるごと次の商品に回せる
  • 何度スイッチングしても課税されない
  • 複利の効果を最大限に活かせる

この非課税メリットがあるからこそ、スイッチングは積極的に活用すべきです。「税金を気にせず利益を確定できる」のは、iDeCoだけの特権です。

手続き自体に金融機関への事務手数料はかからない

スイッチングの手続きをする際、銀行や証券会社に払う「事務手数料」は基本的に無料です。ネット証券であれば、何度操作しても手数料を取られることはありません。

  • 気軽に資産の組み換えができる
  • 余計なコストを気にせず操作できる
  • 自分の好きなタイミングで実行できる

ただし、商品そのものにかかる信託財産留保額などは別物なので混同しないようにしましょう。「操作はタダ」だと知っていれば、心理的なハードルも下がりますね。

iDeCoの出口を意識したスイッチングを行う際の注意点

スイッチングは便利ですが、いくつか気をつけたい落とし穴があります。これを知らないと、「思ったより安く売れてしまった」と後悔することになりかねません。事前にリスクを把握して、スムーズな切り替えを目指しましょう。

商品を売ってから買うまでの数日間に発生する空白期間

スイッチングは「売る」と「買う」が同時に起きるわけではありません。まず商品が売却され、その数日後に新しい商品が買われます。この間は、あなたのお金は「待機状態」になります。

  • 待機期間中は相場の動きに乗れない
  • 暴騰したときに買い逃す可能性がある
  • 1週間程度の時間は余裕を見ておく

この「空白の数日間」があるため、頻繁にやりすぎるのは禁物です。どっしりと構えて、大きな方針転換のときだけ使うのが賢明です。

売却の注文を出した瞬間の価格で売れるわけではない

投資信託の価格(基準価額)が決まるのは、注文を出した日の夜や翌日です。ボタンを押した瞬間の画面に出ている価格で売れるわけではないことを覚えておきましょう。

  • 海外の株などは時差の影響を受ける
  • 注文から数日後の価格が適用されることもある
  • 相場が激しく動いているときは誤差が大きくなる

「この金額で売りたい!」と思っても、多少のズレは必ず発生します。細かい数字にこだわりすぎず、大まかな流れで判断するのがコツです。

これから積み立てる金額の「配分変更」との役割の違い

よく混同されるのが「配分変更」です。スイッチングは「今持っているお金」を動かすことですが、配分変更は「これから積み立てるお金」の行き先を変えることです。

  • スイッチング:過去に積み上げた資産の整理
  • 配分変更:未来に向けた積立設定の変更
  • 出口戦略では両方を使い分ける

50代からは、スイッチングで今の資産を守りつつ、配分変更で新しい積立も預金にするのが理想です。この2つをセットで行うことで、資産の安全性はより強固になります。

iDeCoの資産をいつ受け取るかによって変わる出口の税金

せっかくスイッチングで資産を守っても、最後の受け取り方で税金を払いすぎたらもったいないですよね。受け取り時期や方法についても、早めに考えておくのが正解です。自分の退職金や年金の額に合わせて、最もお得な方法を選びましょう。

一時金としてまとめて受け取るときの退職所得控除

一括でドカンと受け取る「一時金」方式は、多くの人にとって税制面で有利です。「退職所得控除」という大きな非課税枠が使えるからです。

  • 加入期間が長いほど非課税枠が増える
  • 20年加入なら800万円まで非課税になる可能性がある
  • 会社の退職金が多い人は枠を使い切る可能性がある

会社の退職金と同じ年に受け取ると、合算されて税金が増えることがあります。受け取る年をずらすだけで、手元に残るお金が数十万円変わることもあります。

年金形式で少しずつ受け取るときの公的年金等控除

毎月や毎年の仕送りのように受け取る「年金」方式は、生活費として使いやすいのがメリットです。こちらは「公的年金等控除」の対象になります。

  • 他の年金(厚生年金など)と合計して計算される
  • 一定額を超えると所得税や住民税がかかる
  • 社会保険料の負担が増える場合もある

自分の公的年金がいくらもらえるかを、ねんきん定期便などで確認しておきましょう。受け取り方の組み合わせ(一部一括、残りを年金など)も検討する価値があります。

会社からの退職金と受け取り時期をずらして節税する

もし会社から多額の退職金が出るなら、iDeCoの受け取りを数年遅らせるのが賢い選択です。期間を空けることで、非課税枠を再利用できるルール(5年ルール・20年ルールなど)があるからです。

  • iDeCoを先に受け取って、退職金を後隔てる
  • あるいはその逆のパターンを計算する
  • 税理士や専門の窓口でシミュレーションしてもらう

制度は少し複雑ですが、知っているだけで大きな差がつきます。60歳が近づいたら、一度「いくら残るか」を真剣に計算してみましょう。

まとめ:iDeCoのスイッチングで賢く老後資金を守る

iDeCoの運用もいよいよ終盤戦。これまでは「増やす楽しさ」を味わってきましたが、これからは「守る達成感」を大切にする時期です。スイッチングを上手に使いこなして、最高の形で老後を迎えましょう。

  • スイッチングは利益が出たときや55歳を過ぎた頃が最適なタイミング
  • 出口に向けた切り替えは、暴落から資産を守るために欠かせない作業
  • 移動先は「定期預金」や「保険商品」などの元本確保型を選ぶのが基本
  • 売却から購入完了までは約1週間のタイムラグがあることを知っておく
  • 運用益が非課税になるメリットを活かして、何度でも調整してOK
  • 受け取り時の税金まで考えて、計画的に資産の形を整えていく

長い間、コツコツと積み立ててきたあなたなら大丈夫。少しの手間を惜しまず、スイッチングで資産を「安全な形」に変えて、安心できる老後を手に入れてくださいね。

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この記事を書いた人

MONEY STUDIO編集部は、投資・金融分野の情報収集・分析を行う複数名の編集メンバーで構成されています。
一次情報・公式データ・実体験をもとに記事を制作しています。
特定の金融商品や投資手法を過度に推奨することはなく、メリットだけでなくデメリットやリスクも明示することを編集方針としています。

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