東京エレクトロンとアドバンテストはどっちが買い?製造装置とテスターの将来性を比較

「半導体株って、結局どれを買えばいいの?」と悩む方は多いです。エヌビディアの活躍で世界中が盛り上がる中、日本の主役である東京エレクトロンとアドバンテストは外せない存在になりました。この記事では、似ているようで全く違うこの2社の「稼ぎ方の違い」を整理して、あなたがどちらを選ぶべきか判断するお手伝いをします。

目次

東京エレクトロンとアドバンテストはどっちが買い?今の投資判断

今の半導体市場は、まさに「生成AIバブル」の真っ只中にあります。どちらの会社も世界トップレベルの技術を持っていますが、投資として選ぶなら「安心感」を取るか「爆発力」を取るかが分かれ道になります。自分の資産をどう育てたいかによって、選ぶべき1社は自然と決まってくるはずです。 まずは、2社の性格の違いをザッと把握しましょう。

安定した資産を築きたいなら製造装置の巨人

東京エレクトロンは、半導体を作るための数多くの工程でトップシェアを握っています。1つの製品に頼らず、幅広い装置を世界中の工場に売っているため、経営の安定感は抜群です。

特定の技術が廃れても他の装置でカバーできる強みがあるため、大きな失敗が少ない会社と言えます。「半導体業界全体の成長に乗っかりたい」と考えるなら、まずはこの会社を検討するのが手堅い選択肢です。

成長の爆発力を狙いたいならテスターの主役

アドバンテストは、出来上がったチップが正しく動くか調べる「テスター」の専門家です。特にAIに欠かせない高性能なチップの検査では、この会社の機械がないと話が始まりません。

AIブームが加速するほど、検査の難易度が上がり、アドバンテストの装置の価値は跳ね上がります。東京エレクトロンに比べて会社規模が小さい分、利益が伸びた時の株価の跳ね上がり方は非常にダイナミックです。

どちらか1社に絞らず両方に分散するメリット

「どうしても選べない」という方は、無理に1社に絞る必要はありません。実は、製造装置を作る会社と検査をする会社では、注文が入る時期が少しだけズレることがあります。

両方の株を少しずつ持っておけば、業界全体の波をうまく捉えつつ、特定の製品の不調によるダメージを抑えられます。100株ずつ買うのが難しい場合でも、1株から買えるサービスを使えば、数万円から「自分だけの半導体セット」を作ることが可能です。

製造装置の世界シェアが高い東京エレクトロンが稼ぎ続ける仕組み

東京エレクトロンは、いわば「半導体工場のキッチン」を丸ごと提供しているような会社です。目に見えないほど小さな回路を刻むために、世界で唯一の技術をいくつも持っています。この会社が装置の供給を止めれば、世界のスマホやパソコンの生産が止まってしまうと言われるほど、その存在感は圧倒的です。

他の会社が真似できない塗布・現像装置の独占力

この会社には、世界シェアが約90%という驚異的な製品があります。それは「コータ・デベロッパ」と呼ばれる、シリコンの板に特殊な薬液を塗って回路の模様を浮かび上がらせる装置です。

世界中のほとんどの工場がこの装置を使っているため、ライバルが入り込む隙がほとんどありません。この圧倒的な独占状態こそが、高い利益を出し続けられる最大の武器になっています。

半導体をさらに小さくするために欠かせない加工技術

最近のチップは、どんどん小さく、そして複雑な形になっています。東京エレクトロンは、不要な部分を削り取る「エッチング」などの技術でも世界トップクラスの実力を持っています。

  • 1ナノメートル単位の精密な加工ができる
  • 複数の工程を1つの装置でこなせる効率の良さ
  • 世界中の半導体メーカー(TSMCやインテル)と深い信頼関係がある

こうした高度な技術が組み合わさることで、他社が追いつけない「技術の壁」を築き上げています。

一度売れた後も長く続くメンテナンスの稼ぎ口

装置を売って終わりではないのが、この会社の賢いところです。世界中で稼働している数万台の装置の点検や、部品の交換だけで毎年数千億円を稼いでいます。

不況で新しい装置が売れない時期でも、このメンテナンス収入が会社を支えてくれます。この「ストック型」のビジネスがあるおかげで、投資家は安心して株を持ち続けることができるわけです。

テスターの分野でアドバンテストが世界から必要とされる強み

アドバンテストは、半導体が完成した後の「最終試験」を司る会社です。どれだけ立派な工場でチップを作っても、検査で合格しなければ製品として売ることはできません。AI半導体のように1つ数十万円もする高価なチップが増えるほど、検査の重要性はかつてないほど高まっています。

チップが正しく動くか調べる「最後の砦」としての役割

アドバンテストのテスターは、目に見えない電気の信号を送り、チップの中に不具合がないか一瞬で判断します。特に最近はチップの構造が立体的になっているため、検査の難易度が爆上がりしています。

この難しい検査を正確に、しかもハイスピードでこなせる装置を作れる会社は、世界に数社しかありません。アドバンテストの装置は「世界一厳しい試験官」として、チップの品質を根底から支えています。

スマホからAIまで幅広く使われる検査装置の幅広さ

アドバンテストの強みは、あらゆる種類の半導体を検査できるところにあります。メモリ(記憶用)もSoC(頭脳用)も、どちらの分野でも世界トップシェアを争っています。

  • エヌビディアのGPU向けの高速メモリ(HBM)
  • iPhoneなどのスマホに入っているメインチップ
  • 自動車を制御する車載半導体

このように、私たちの身の回りにあるあらゆるハイテク機器にアドバンテストの影があります。 特定の製品が売れなくなっても、別の分野でカバーできるのが強みです。

ライバルが少なく価格競争になりにくい市場の形

テスターの市場は、実質的にアドバンテストと米国のテラダインという会社の2社で分け合っています。ライバルが少ないため、無理な値下げをする必要がなく、高い利益率を保てます。

一度検査の仕組みを作ってしまうと、メーカー側も別の会社の装置に変えるのは大変な手間になります。この「乗り換えにくさ」が、アドバンテストの安定した収益を守る強力な盾になっています。

東京エレクトロンの「コータ・デベロッパ」とアドバンテストの「SoCテスター」の比較

半導体の「作る工程」と「調べる工程」、それぞれの主役を比べてみましょう。

解説テキスト:

東京エレクトロンのコータ・デベロッパは、回路を焼き付ける前の「下準備」をする機械です。アドバンテストのSoCテスターは、出来上がったチップが知能として正しく機能するか「合格発表」を出す機械です。前者は工場の土台を支え、後者は製品の信頼性を保証するという、どちらも欠かせない役割を担っています。

詳細情報テーブル:

比較項目コータ・デベロッパ(東京エレクトロン)SoCテスター(アドバンテスト)
役割回路の模様を浮かび上がらせる下処理完成したチップの計算能力を検査
世界シェア約90%(ほぼ独占)世界トップクラス
主な顧客TSMC、サムスン、インテルエヌビディア、クアルコム、アップル
収益の特長圧倒的な独占力による安定収益チップの複雑化に伴う単価の上昇
他との違いEUVという最先端技術に必須超高速な電気信号を扱う高い精度

誘導・比較:

工場の新設ラッシュで真っ先に注文が舞い込むのは東京エレクトロンです。一方で、AIチップのような「高性能で複雑なチップ」が世の中に増えるほど、検査1回あたりの価値が高まり、アドバンテストの利益が加速します。どちらも世界一の看板を背負っているため、甲乙つけがたい実力があります。

将来性を比較した時のAI半導体がもたらす恩恵の違い

これから数年間の成長を占うキーワードは、やはり「AI」です。これまでのパソコンブームとは次元の違う投資がデータセンターに行われており、2社にはそれぞれ違う形でお金が転がり込んできます。AIが進化すればするほど、製造装置もテスターも、より高機能で高価なものが求められるようになります。

積み重ねるメモリ「HBM」が製造装置の出番を増やす

AIの計算を速くするために、今の半導体はメモリを何枚も縦に積み重ねる「HBM」という技術を使っています。この積み重ねる工程で、東京エレクトロンの接合装置やエッチング装置が大活躍します。

普通のメモリを作るよりも工程が多いため、東京エレクトロンにとっては売るチャンスが何倍にも増えることになります。AI半導体が進化するほど「作る手間」が増え、それがそのまま会社の利益に直結します。

チップが複雑になるほど検査の手間と価値が上がる

チップが複雑になればなるほど、検査にかかる時間は長くなり、使う装置も高性能なものが必要になります。アドバンテストにとって、これは装置の単価を上げる絶好の機会です。

もし検査をケチって不良品を流してしまえば、メーカーは何百万円もの損害を出してしまいます。それを防ぐための「保険」としてもアドバンテストの装置は高く評価されており、AI時代には欠かせない存在になっています。

データセンターの巨大な投資がもたらす終わらない特需

世界中のIT大手が、AIのために巨大なデータセンターを次々と建てています。そこには数万個のGPU(画像処理装置)が並べられ、そのすべてが東京エレクトロンの機械で作られ、アドバンテストの機械で検査されています。

この投資は2026年以降も続くと見られており、2社にとっては「注文が途切れない」幸せな状態が続きます。「AIが世界を変える」と信じるなら、この2社の将来性を疑う理由はどこにもありません。

配当金と株主還元の姿勢を2社で並べて比める

「株価が上がるだけでなく、配当もしっかりもらいたい」という願いに、この2社はしっかりと応えてくれます。儲かったお金を株主に還元する姿勢は、日本企業の中でもトップクラスに積極的です。

利益の半分を株主に配る還元の方針

東京エレクトロンは配当性向50%を目標にしており、利益の半分を配当として配っています。アドバンテストも自社株買いを含めた還元に積極的で、どちらも株主を大切にする文化が根付いています。

業績が良ければ良いほど、配当金もグングン増えていくのがこの2社の特徴です。今は利回りがそれほど高く見えなくても、数年後には「買った時の株価に対してすごい配当をもらっている」という状態も十分にあり得ます。

株式分割によって100株単位でも買いやすくなった理由

以前はどちらも1株の値段が高く、100株買うのに数百万円が必要でした。しかし、東京エレクトロンは1対3、アドバンテストは1対4の株式分割を行い、個人投資家でも手が届きやすい価格になりました。

分割されたことで、少額から投資を始めたい人も買いやすくなり、株を買う人が増えることで株価も支えられやすくなっています。数万、数十万円から世界一の企業のオーナーになれるのは、今だけの大きなチャンスです。

自社株買いによって株価の価値を高める取り組み

配当だけでなく、2社とも定期的に自社株買いを行っています。会社が自分の株を買って消却すれば、1株あたりの価値が上がり、株主にとっては配当をもらうのと同じくらいのメリットがあります。

  • 1株あたりの利益(EPS)が向上する
  • 市場に出回る株が減り、需給が引き締まる
  • 会社が「今の株価は安すぎる」と考えているサインになる

このように、あらゆる手段を使って投資家に報いようとする姿勢こそ、この2社が長く愛される理由です。

半導体株の独特な波に飲まれないための買うタイミング

半導体株には「シリコンサイクル」と呼ばれる、3〜4年周期の好不況の波があります。今はAIのおかげで絶好調ですが、いつかは調整の時期が来ることも忘れてはいけません。一番もったいないのは、ブームの絶頂で全額を注ぎ込み、少し下がったところで怖くなって売ってしまうことです。

数年おきにやってくる業界全体の好不況を知る

半導体は、需要が急に増えて足りなくなった後に、一気に作りすぎて余ってしまう時期が必ず来ます。株価はこの「先行き」を半年から1年早く反映して動くのが特徴です。

ニュースで「半導体が足りない」と大騒ぎされている時は、株価はすでに高くなっていることが多いです。逆に、少し悪いニュースが出てみんなが弱気になっている時こそ、勇気を持って買う絶好のタイミングになります。

米国のハイテク株の動きをセットで確認する

東京エレクトロンやアドバンテストの株価は、米国の「フィラデルフィア半導体株指数(SOX)」や、エヌビディアの株価とそっくりな動きをします。夜の米国市場で半導体株が上がれば、翌朝の日本市場でもこの2社は上がることが多いです。

  • エヌビディアが決算で良い数字を出したか
  • 米国の金利が上がってハイテク株が売られていないか
  • AIへの投資が減速する兆しはないか

こうした「海を越えたニュース」をチェックしておくことで、翌日の日本の株価の動きをある程度予想できるようになります。

一度に全額を入れずに時期を分けて買う工夫

半導体株は1日の値動きが数%に達することも珍しくありません。一気に買うと、たまたまその日が最高値だったというリスクがあります。

例えば100万円投資したいなら、30万円ずつ3回に分けて、数ヶ月かけて買うような「時間分散」がおすすめです。これなら、途中で株価が下がっても「安く買えてラッキー」と思えるため、メンタルを安定させて投資を続けられます。

この2社を新NISAの成長投資枠で運用するコツ

2024年から始まった新NISAは、半導体株のような「大きく化ける可能性のある株」にぴったりです。税金を払わずに利益を丸ごと手に入れるための作戦を立てましょう。

非課税のメリットを活かして配当を丸ごと受け取る

通常、株で得た利益や配当には約20%の税金がかかります。100万円儲かっても、20万円は税金で消えてしまうのです。

しかし、新NISAの成長投資枠で買えば、この20万円をまるまる自分のものにできます。特に配当を再投資して資産を増やしたい人にとって、この20%の差は10年後に大きな金額となって現れます。

10年後の世界を見据えて短期の動きは無視する

半導体株は短期的な浮き沈みが激しいですが、10年という長い目で見れば、世界が今より半導体を使わなくなることはまず考えられません。スマホ、EV、AI、ロボット、すべてに半導体が必要です。

目先の株価が10%や20%下がったとしても、「10年後には今よりずっと大きな会社になっているはずだ」と信じられるなら、NISAで持ち続ける価値は十分にあります。短期のノイズに惑わされず、どっしりと構えましょう。

自分の資産の中で半導体株が占める割合を決めておく

半導体株は「ハイリスク・ハイリターン」な投資です。いくら将来性が高いからといって、全財産を半導体株につぎ込むのは、隣の友人にはおすすめできません。

  • 資産の10%〜20%くらいに留めておく
  • 残りは安定したインデックスファンドなどで運用する
  • 儲かりすぎたら少し売ってバランスを整える

このように、守りを固めつつ攻めのカードとして半導体株を持つのが、長く投資を成功させる秘訣です。

まとめ:東京エレクトロンとアドバンテストで半導体の未来を掴む

東京エレクトロンとアドバンテストの比較、いかがでしたか。どちらも日本が世界に誇る素晴らしい会社であり、半導体時代の主役であることは間違いありません。

  • 東京エレクトロンは製造装置の幅広さと独占力が強みの「安定の巨人」。
  • アドバンテストはAIチップ検査に欠かせない技術を持つ「爆発力の主役」。
  • どちらも利益の半分を株主に返す、非常に太っ腹な還元方針を持っている。
  • AI(生成AIやHBM)の進化は、両社にとってかつてない追い風。
  • 半導体株特有の激しい波には、時期を分けた「分散買い」で対応する。
  • 新NISAを活用すれば、将来の値上がり益と配当を税金なしで受け取れる。
  • 10年単位の長期的な視点を持つことで、目先の暴落もチャンスに変えられる。

投資に「絶対」はありませんが、世界がデジタル化を続ける限り、この2社の機械が止まることはありません。自分のリスク許容度に合わせて、これら世界最強の企業たちをあなたのポートフォリオに加えてみてはいかがでしょうか。小さな一歩が、数年後の大きな資産形成に繋がっているはずです。

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この記事を書いた人

MONEY STUDIO編集部は、投資・金融分野の情報収集・分析を行う複数名の編集メンバーで構成されています。
一次情報・公式データ・実体験をもとに記事を制作しています。
特定の金融商品や投資手法を過度に推奨することはなく、メリットだけでなくデメリットやリスクも明示することを編集方針としています。

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