「Appleの株を買うなら、iPhoneの売れ行きだけを見ていればいい」
もしそう思っているなら、今のAppleが持っている本当の凄さを見逃しているかもしれません。
実は今のAppleは、機械を売る会社から「サービスで稼ぐ会社」へと、驚くほど身軽に姿を変えています。
投資家がなぜこの変化を喜んでいるのか、その中身を隣の友人に教えるように分かりやすくお伝えしますね。
サービス部門が成長の鍵と言える明確な理由
Appleの株価を支えているのは、もはやiPhoneの売れ行きだけではありません。多くの人が「次はどんなiPhoneが出るか」に注目しますが、投資のプロが熱い視線を送っているのは、私たちが毎月払っている「サービス」の料金です。Appleがどのように儲けの仕組みを変えてきたのか、その中身を一緒に見ていきましょう。
利益率がハードウェアの約2倍という凄さ
Appleが販売するiPhoneやMacといった「物」の粗利益率は、だいたい35%から40%くらいと言われています。これでも製造業としては十分に高い数字ですが、サービス部門の数字はさらにその上をいきます。
サービス部門の粗利益率は、なんと70%を超えています。
100円の売上があった時、経費を引いても70円以上が手元に残るという、驚異的な稼ぎやすさを持っているのです。
- 工場で部品を組み立てる必要がない
- 在庫を抱えて売れ残る心配がない
- 一度仕組みを作れば、世界中で同時に稼げる
こうした「物が動かない商売」だからこそ、Apple全体の利益をグンと押し上げる強力なエンジンになっています。
毎月定額でお金が入る「サブスク型」の安定感
iPhoneなどの機械は、一度買ってしまうとしばらく買い替えることはありません。しかし、Apple MusicやiCloudなどのサービスは、一度使い始めると毎月決まったお金を払い続けることになります。
これをサブスクリプション(定額課金)と呼びますが、Appleの有料会員数は今や10億人を超えています。
毎月10億人から決まったお金が入ってくる安定感は、経営にとって何よりの安心材料になります。
景気が少し悪くなったからといって、大切な写真が詰まったiCloudの契約をすぐに切る人は少ないからです。
iPhoneが売れない時期でも利益を支える仕組み
世界中の景気が冷え込んで、新しいiPhoneへの買い替えをためらう人が増える時期もあります。
そんな時でも、すでにiPhoneを使っている22億人のユーザーは、日々アプリを買ったり、音楽を聴いたりし続けます。
この「機械の売れ行きに左右されない稼ぎ口」があるおかげで、Appleの業績は非常に安定しています。
物が売れない時期でも、サービスが穴を埋めてくれる。
この二段構えの守りが、Appleが世界最強の企業であり続けられる大きな理由の一つです。
売上の構成比と推移で見える収益構造の変化
昔のAppleを知る人からすれば、今の売上の中身はまるで別の会社のようです。かつては売上のほとんどが「Mac」や「iPod」といった製品から生まれていましたが、今はそのバランスが大きく変わりました。サービス部門が、iPhoneに次ぐ第2の柱として、完全に定着している様子を数字で確認してみましょう。
iPhone依存から抜け出している数字の推移
2024年度のデータを見ると、サービス部門の売上は全体の約25%前後を占めるまでになりました。
以前は「iPhone一本足打法」と揶揄されることもありましたが、今や売上の4分の1が目に見えないサービスから生まれています。
この比率は年々じわじわと上がっており、Appleが「脱・ハードウェア」を順調に進めている証拠です。
iPhoneの売上が横ばいの時期でも、サービス部門は2桁成長を続けていることが多く、成長の質が以前とは全く違います。
サービス部門が全体の4分の1を占めるまでの歩み
この10年を振り返ると、Appleのサービス部門は右肩上がりの綺麗な曲線を描いて伸びてきました。
最初はApp Storeの手数料がメインでしたが、その後Apple MusicやApple Payなどが加わり、稼ぎ口が多角化しました。
単に比率が上がっただけでなく、売上の「額」そのものが巨大化している点がポイントです。
サービス部門単体の売上だけで、他の超有名企業数社分に匹敵する規模になっており、もはや一つの巨大企業といってもいい存在感です。
22億台のデバイスから生まれる巨大な収益源
Appleがこれほどまでにサービスで稼げるのは、世界中で使われているApple製品(インストールベース)が22億台を突破しているからです。
この22億台のデバイスが、サービスを売るための「お店」の役割を果たしています。
- iPhoneを開けばApp Storeがある
- 音楽を聴こうと思えばApple Musicがある
- 支払いの時はApple Payが立ち上がる
22億箇所に自分の店を持っているような状態ですから、新しいサービスを始めた時の広がり方は他社を圧倒しています。
サービス部門の中身はどうなっている?
「サービス部門」と一言で言っても、その中身は驚くほどバラエティに富んでいます。私たちが何気なく支払っている数百円や、コンビニでiPhoneをかざすその瞬間に、Appleの利益が積み重なっています。どれもがAppleの強力な「囲い込み」戦略の一部になっており、一度入ると抜け出せない便利な仕組みとして完成されています。
① 解説テキスト:
サービス部門の代表格は、App Storeでの販売手数料や、iCloud、Apple Musicといった定額サービスです。これに加えて、Apple Payを通じた決済手数料や、Googleなどから受け取る検索広告の枠代も含まれます。
特に決済や広告といった分野は、Appleが自分で在庫を持つ必要が全くないため、利益の質が極めて高いのが特徴です。Apple Intelligenceという独自のAI機能が始まったことで、今後はAIに関連した新しい有料サービスがさらに増えていくと予想されています。
② 詳細情報テーブル:
| サービス名 | 主な中身 | 他のサービスとの違い |
| App Store | アプリの販売手数料(原則30%) | 22億台のデバイスへ直接販売できる唯一の窓口 |
| iCloud / Music | ストレージや音楽の月額利用料 | iPhoneに深く組み込まれており、設定が極めて楽 |
| Apple Pay | 決済ごとの手数料 | 財布を出さずに払える利便性で、圧倒的なシェア |
| 広告 / その他 | 検索広告、Apple Care(保証) | ユーザーの満足度を高めつつ、着実に利益を上乗せ |
③ 誘導・比較:
GoogleやSpotifyといった競合他社に比べて、Appleの強みは「iPhoneという機械そのものを作っている」ことです。他社が広告費を払って集客する中で、Appleは自分の機械の中に最初からアプリを置いておけるため、宣伝費をかけずにユーザーを増やせるという圧倒的な優位性を持っています。
なぜサービス部門が増えると株価にプラスなのか
株の世界でAppleが高く評価されるのは、単に売上が大きいからだけではありません。サービス部門が伸びることで、会社が手にする「現金の質」が良くなり、それが投資家への還元に直結するからです。「毎年安定して、しかも高い利益率で現金が入ってくる」という状態が、Appleの株価を支える強力な守りになっています。
莫大な現金を自社株買いに回せる余力
サービス部門が生み出す利益は、そのほとんどが「本物の現金(キャッシュ)」として会社に残ります。Appleはこの潤沢な現金を使って、年間900億ドル規模という途方もない金額の自社株買いを行っています。
自社株買いをすると、市場に出回る株の数が減るため、1株あたりの価値が自然に上がります。「物が売れなくても、サービスが稼いで、そのお金で株価を支える」という最強のサイクルが、今のAppleには出来上がっています。
景気が悪くなっても解約されにくいサービスの強み
不景気になったからといって、iCloudに預けている大切な写真データを消去して解約する人はなかなかいません。また、日々使うApple Payの便利さを手放すのも難しいものです。
こうした「生活に食い込んだサービス」は、不況でも売上が落ちにくいという特徴があります。この強さがあるからこそ、投資家は「Appleの株を持っていれば、大きな暴落でも安心だ」と考えるようになります。
投資家が最も重視する「利益の質」の高さ
投資のプロは、一度きりの大きな利益よりも、「毎年確実に入ってくる利益」を高く評価します。サービス部門の売上は予測が立てやすく、将来の見通しが明るいのが特徴です。
- 利益率が高い(70%以上)
- 継続性が高い(10億人の有料会員)
- 成長が速い(ハードウェアより高い伸び)
こうした「三拍子揃った利益」が増えていくことで、Appleの企業価値はさらに高まっていきます。
アップルのエコシステムがサービス部門を支える土台
Appleのサービスがこれほどまでに強いのは、製品同士が魔法のように繋がる「エコシステム(生態系)」があるからです。一度iPhoneを使い始めると、Apple WatchやiPad、Macも欲しくなり、気づけば身の回りがApple製品で埋め尽くされます。この便利な「檻(おり)」の中に一度入ってしまうと、Androidへの乗り換えは非常に難しくなります。
一度iPhoneを使うと離れられない便利な繋がり
iPhoneで撮った写真がMacで即座に見られ、Apple Watchで改札を通れる。この便利さを一度体験してしまうと、別のメーカーのスマホに変えるのはとても面倒に感じます。
この「乗り換えにくさ」が、サービス部門の売上を守る高い壁(堀)になっています。機械が便利であればあるほど、サービスを使い続ける理由が強くなる。 Appleはこの連鎖を何年もかけて丁寧に作り上げてきました。
10億人を超えた有料会員がもたらす安心感
有料サービスにお金を払っている会員が10億人を超えている事実は、Appleのサービスが「選ばれ続けている」何よりの証拠です。
10億人が毎月数百円、数千円を払い続けることで、Appleの銀行口座には絶え間なく現金が振り込まれます。この巨大なファンクラブともいえる存在が、Appleの将来を支える最強の資産です。
Apple Careが買い替えの不安を取り除く役割
iPhoneを買う時、多くの人が加入する「Apple Care」も立派なサービス部門の売上です。故障や紛失の時の不安を解消することで、さらにAppleへの信頼が高まります。
「次もAppleで買えば、保証もしっかりしているし安心だ」という気持ちにさせることで、次のハードウェア販売にも繋がっています。サービスとハードが互いに支え合うことで、Appleの王国はさらに盤石になっていきます。
これからの成長をさらに加速させる新しい仕組み
Appleは今、次の大きな飛躍に向けて新しい準備を始めています。その主役となるのが「AI(人工知能)」です。Apple Intelligenceという独自のAI機能が、私たちのiPhone体験をどう変え、それがどう利益に結びつくのか、これからの展開には目が離せません。 単なるお遊びではなく、ビジネスとしてのAIの使い方が見えてきています。
Apple IntelligenceでAI機能が有料になる可能性
2024年から導入が始まったApple Intelligenceは、今は無料で提供されていますが、将来的に高度な機能は「月額制」になるという見方が強まっています。
例えば、より賢いSiriや、プロ仕様の編集機能などを「AIプラス」のような名前で有料化する。22億台のユーザーがいるため、数%の人が契約するだけでも、サービス部門の売上はさらに一段上のステージへ跳ね上がります。
Apple TV+などの独自コンテンツで囲い込む狙い
Netflixなどのライバルがひしめく中で、Apple TV+はクオリティの高いオリジナル作品でファンを増やしています。映画やドラマを通じてAppleブランドに触れる機会を増やしているのです。
- エミー賞を受賞するような質の高い作品
- スポーツの中継権の獲得(メジャーリーグなど)
- Appleのデバイスで最高の体験ができる画質と音質
娯楽を通じた囲い込みは、単なる機能の便利さ以上に、ユーザーの感情をAppleに引き寄せる力を持っています。
ヘルスケア分野でのデータ活用と将来の稼ぎ方
Apple Watchで取得できる心拍数や睡眠データは、将来の大きなビジネスチャンスとして期待されています。個人の健康を管理するサービスや、医療機関との連携などです。
健康管理は、お金を払ってでも続けたいと思う切実なサービスになります。「命を守るデバイス」としての地位を確立できれば、ヘルスケア部門はサービス売上の巨大な柱に育っていくはずです。
米国株としてアップルを買う時に見るべきポイント
もしあなたが「アップルの株を新NISAなどで買ってみようかな」と思っているなら、いくつかチェックすべき数字があります。株価の動きだけに一喜一憂せず、会社の「健康診断」をするつもりで以下のポイントを覗いてみてください。Appleがこれからも成長し続けられるかどうかは、派手な発表会よりも、決算書の中に書かれた地味な数字に現れます。
毎年増え続ける配当金と自社株買いの規模
Appleは、株主への還元を何よりも大切にしています。配当金は毎年少しずつ増えており、長期で持っているほど受け取れる額が大きくなります。
さらに注目すべきは、先ほども触れた「自社株買い」です。**「利益を自分たちの株の価値を上げるために使っているか」**という姿勢を確認することで、安心して投資を続けられるかどうかが分かります。
サービス部門の成長率が鈍化していないか確認
Appleの株価が高く評価されている最大の理由は、サービス部門の高い成長率です。3ヶ月に一度の決算で、サービス部門の売上が前年より何%伸びているかを確認しましょう。
もし成長率が急激に落ちていたら、それはエコシステムの力が弱まっているサインかもしれません。**「2桁成長を維持できているか」**を一つの目安に、推移を追いかけてみてください。
手元に残る現金の多さを示すキャッシュフローの推移
Appleが最強と言われるのは、銀行口座にある「現金」が圧倒的に多いからです。営業キャッシュフローという項目を見て、稼いだ利益がしっかり現金として入ってきているかを見ます。
お金がたっぷりあれば、新しいAIの研究も、魅力的な企業の買収も、そして株主への還元も自由自在です。**「財布がいつもパンパンに膨らんでいるか」**を確認することが、投資での大きな失敗を避けるコツになります。
まとめ:[サービスが支えるAppleの盤石な未来]
アップルのこれからの成長を占う鍵は、iPhoneという「箱」の売上以上に、その中で動く「サービス」にあります。ハードとソフトの両輪で稼ぐ今のスタイルを知ることで、Appleという会社の本当の凄さが見えてきます。
- サービス部門は粗利益率70%超えという、圧倒的な稼ぎやすさを誇る。
- 22億台のデバイスと10億人の有料会員が、毎月安定した現金をもたらす。
- 売上の約25%がサービスとなり、iPhone依存からの脱却が順調に進んでいる。
- App StoreやiCloud、Apple Payなど、一度入ると抜け出せない便利な網が張られている。
- サービス部門の莫大なキャッシュが、年間900億ドルの自社株買いを可能にしている。
- Apple Intelligence(AI)の導入により、さらなる有料サービスの展開が期待されている。
- 投資する際は、製品の売れ行きだけでなく、サービス部門の「成長率」と「現金(キャッシュ)」に注目する。
Appleの株を持つということは、世界中の22億人が毎日払う「手数料」や「利用料」を、オーナーとして受け取り続けるということです。目先の新製品のニュースに惑わされず、この盤石な儲けの仕組みを信じて、じっくりと資産を育ててみてはいかがでしょうか。
